認知症について⑥

今回は、アルツハイマー型認知症の検査についてですが、

まずは、しっかりとした問診・視診・触診など症候学的な診察が非常に大切です。患者さんからじっくり話を聴いて、慎重に診察することがとても重要です。

その次に、HDS-R(長谷川式認知症スケール)やMMSE(Mini-Mental State Examination)、CDT(clock drawing test:時計描画試験)等の心理検査を行うことが一般的です(まだまだ細かい検査は沢山ありますが、割愛しますね^^;)

 

HDS-Rは30点満点の試験で、20点以下なら認知症の疑いがあります。MMSEも30点満点の試験で23点以下なら同様に認知症の可能性があります。CDTでは、15点満点で評価して、点数が低い方が、認知症の可能性が高まります。

画像検査として頭部CTまたはMRIを行います。そこで、脳萎縮の程度を評価します。

さらに、最近では除外診断が主目的になりますが、頭部SPECT(脳血流を見る検査) ダットスキャン:ドーパミントランスポーターシンチ(黒質線条体ドパミン神経の変性・脱落の評価) MIBG心筋シンチグラフィーといった検査を行う場合もあります。

その上で、総合的に判断して診断を行います。

これで、アルツハイマー型認知症についてのお話は終了させていただきます。

次回はレビー小体型認知症について、お話したいと思います(*^^*)

 

P.S.最近、急に寒くなってきまして、当クリニックに来院される患者さんも風邪を引かれている方が、増えてまいりました。皆様、季節の変わり目なので、何卒、ご自愛ください^^

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札幌ことにメンタルクリニック

院長 阿部 多樹夫

 

 

温泉のご紹介1 番屋の湯♨ 心身ともに癒されます^^

2018年10月14日の日曜日に、石狩市にある温泉に日帰りで、出かけてきました。

泉質やモール湯で、琥珀色でした。肌がすべすべになり、体の芯まで温まりました(*^-^*)

食事は館内のレストランでいただけます。海鮮丼やお蕎麦、ラーメンなどもあるようでしたが、バイキングにしました。種類も豊富で、とても美味しかったです。お値段もお手頃です。

温泉から海岸線も近く、夏は海水浴も楽しめて人気がある場所です。ビーチまで行きましたが、風は冷たかったですが、秋の海がとても奇麗でした。

宜しければ、温泉とセットで行ってみてください。精神・心理的にもとても癒されます^^

先日、日本認知症学会学術集会の話題に触れましたので、次回は認知症について、お話ししたいと思います。

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院長  阿部 多樹夫

強迫性障害(OCD: Obsessive Compulsive Disorder)について、診断と治療についてお話させていただきます③

それでは第3回目となりましたが、強迫性障害(OCD)について、お話したいと思います。

前回の①②でお話ししたプロセスで診断・治療を進めていきますが、その他に大切なことは、ご家族や職場など周囲の人々からの理解や支援を得られるような環境調整をおこなうことです。

強迫性障害の患者さんの行動は、ご家族や周囲の人には理解しがたいものと映ることがあります。

ついつい、ご家族や周囲の人は良かれと思って「なぜ、そのようなことは気にするの?」「なぜそんなにこだわるの?」「そんなこと気にしないで!」とアドバイスしたくなるでしょう。しかし、そのようなアドバイスは逆効果になる場合があります。なぜなら、家族や周りは自分のつらさをわかってくれないと心を閉ざしてしまうからです。

強迫性障害の患者さんも他人から自分がどう見られているか理解しています。こだわりや強迫行為を止めたいのに、どうしても自分自身では不安から止めることができない苦しみは凄まじいものです。

まず、ご家族や周囲の人に強迫性障害という疾患を理解していただいて、患者さんの苦しみも共有してもらえる環境調整を行うことが大切となります。

その環境調整をおこなうことも、主治医の大切な役割となります。

一人で解決することが難しい疾患なので、患者さんと主治医だけでなく、周囲の方々からの支援の輪を広げて、回復を図っていく必要があります。

強迫性障害(OCD)について最後まで見ていただけて、ありがとうございました(*^^*)

 

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院長  阿部多樹夫

強迫性障害について② 

強迫性障害(OCD)について、2回目となります。

それでは、札幌ことにメンタルクリニックにて、行っている強迫性障害についての治療についてお話をさせていただきたいと思います^^

もし強迫性障害の可能性があり、その症状でお悩みならば、まずは、しっかりと診断をつけてもらうことが非常に大切となります。

強迫性障害の原因として、脳内伝達物質(脳内ホルモン)の一つであるセロトニンの働きが低下しているといわれております。そのため、セロトニンを補ってくれる薬物療法が有効となります。一般的にSSRIと言われる薬剤が効果があります。

また、薬物療法と並行して強迫症状を徐々に緩和していくためのに、患者様の考え方 受け止め方 対処方法などを学んでいく心理療法(認知行動療法)が有効と言われていおります^^

実際に薬物療法と心理療法で、症状が劇的に改善された患者様を数多く担当させていただいた経験があります。

①精神療法(認知行動療法):不安刺激についての考え方や受け止め方を変化させることによって不安が強くならないようことを目指します。

不安刺激に対して敏感に反応しなくなるように慣れていただくことも必要になる場合もあります。ただし時間はかかりますが、徐々に強迫的な儀式は軽減してきます。

②薬物療法:SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を中心とした、抗うつ薬を中心とした薬剤の服用が効果が認められます。以前は3環系抗うつ薬が主流でしたが、現在は、SSRIというセロトニンを使用することが一般的となっております。

しっかり治療すると、非常の良くなる疾患です(*^^*)

それでは、次回は第3回目で、更に詳しくお話申したいと存じます^^

 

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院長 阿部 多樹夫

 

強迫性障害(OCD)について、症状・診断・治療のご説明いたします。part①

今回は、強迫性障害(OCD:ovbsessive)について、3回に分けて、ご説明したいと思います。

強迫性障害は、わかりやすく言うと「わかっちゃいるけど、どうしてもやめられない」という考えと行為が繰り返しおこり、自分の意志では制御できない疾患です。

もう少し詳しく言いますと、

強迫思考(観念自分でもバカバカしいことだとわかっていても、そのことが頭から離れずに、考えまいとしても自分の意志ではどうにもならない状態をいいます。

強迫行為:ある行為をしないでいられない状況をいいます。たとえば、不潔に思えて過剰に手を洗う、戸締りや火を消したかなどを何度も確認せずにはいられないといったことがあります。

「鍵を閉めたかな?」「ガスコンロの火を消したかな?」と、不安になって家に戻るなど、多くの人が経験あると思います。それは別に異常ではありません。

ただし、その不安やこだわりが度を超して、明らかに「やりすぎ」と周りの人から言われたり、そのため日常生活に支障をきたすようになった場合は「強迫性障害」の可能性が強く疑われます。

 

第2回目に、続きます ^^) _

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札幌ことにメンタルクリニック

院長 阿部 多樹夫

 

連休のストレス発散の方法をご紹介します。

2018年10月の先週末は2連休でした(中には、3連休だった方もいらっしゃったでしょう;ちょこっと羨ましいです)。

少し前になりますが、美唄市にあるピパの湯 ゆーりん館に行ってきました。

のんびりと、過ごせて、大変リラックスできました。宜しければ、行ってみてください。食事もおいしかったです。(*^-^*)

 

仕事やプライベートでの多忙が続くと、誰でもストレスが蓄積してきます。

心療内科医・精神科医の立場からも、意識的に仕事のON OFFを切り替えて、休日は可能な限りストレス解消をして頂きたいと思います^^ 

メンタルヘルスの向上は、まずは、良質な睡眠と気分転換から始まります^^

身体だけでなく、心身ともにホカホカになりたいものです^^

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札幌ことにメンタルクリニック(旧 前田神経クリニック)

院長 阿部 多樹夫

 

パニック障害について③

第3回目は、パニック障害の治療に関して、お話したいと思います^^

「お薬を使わずに治療したい」と希望される患者さんもおられますが、パニック障害に関しては、薬物療法を行っていくことをお勧めします。他の不安の疾患と比べて、薬物療法の効果が大いに期待できるからです。最近ではSSRIといわれる抗うつ薬を使用することが一般的です。

薬物療法を開始すると、パニック発作や予期不安といった症状が徐々に軽減してきます。症状をコントロールできるようになると、安心感と回復への自信が持てるようになります。並行して精神療法を少しずつ行っていきます。

広場恐怖が合併している場合は、「自分がコントロールができない」状況に対する苦手意識を少しづつ払拭していく必要があります。そういった状況での成功体験の積み重ねて徐々に自信を取り戻していきます。そのようなアポローチから精神療法を行っていく必要があります。

一方で広場恐怖症を合併していない場合は、自身の考え方の癖を見直して、物事のとらえ方を整理することで、不安が悪循環しないようにしていきます。

このような地道な積み重ねが非常に大切で、徐々に回復に向かっていきます。

パニック障害の治療は個人差がありますが、少なくとも1年間はお薬を続けたほうが良いと思います。そして少しずつお薬を減薬し、経過をみていくのが一般的な治療となります。

最後まで、見てくださってありがとうございました(*^-^*)

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院長  阿部 多樹夫

 

 

 

パニック障害について②

パニック障害の原因は、ストレスや疲労 人間関係の悩みなど環境要因や体質(遺伝性)も関係しますが、最も強く影響されるのは、脳内神経伝達物質(脳内ホルモン)のバランスの乱れであるといわれてます。

特にセロトニンとノルアドレナリンが関係していると考えられています。セロトニンは、ほかの脳内神経伝達物質の情報をコントロールし、精神状態を安定させる働きがあります。またノルアドレナリンは、不安や恐怖感を引き起こし、血圧や心拍数を上げる働きをします。このバランスが乱れることにより、パニック症状が出現します。

パニック障害は100人に3人程度の割合で出現する誰にでも起こりうる病気です。ある日突然強い発作におそわれ、心臓や呼吸器の疾患を心配したり、再発の不安から外出できなくなるなど、日常生活に大きな支障をきたします。

重要なポイントとして、発作を経験したら、まずは念のために循環器科・呼吸器科など受診してみることが必要です。心臓や呼吸器系に本当に異常がないか調べてもらうことをお勧めします。そして異常がなければ、早めに心療内科や精神科を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切となります。

次回、第3回目に続きます ^^) _

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院長 阿部 多樹夫

ストレス解消法

皆様、日々のストレス発散法に悩んでいる方も多くおられるかと思います^^
私個人的なストレス解消法なのですが、休日に温泉に行ってゆっくり、浸かってくることにしております。これがなかなか効果があるようで、すっきりとします。
 
神話時代から、大国主命や少彦名命が道後温泉や玉造温泉などと所縁が深いことが示すように、古代人も温泉で湯治をしていたのでしょう。
 
戦国時代も、武田信玄や豊臣秀吉などの武将も温泉で戦いの傷を癒したといわれてます。
 
以前は、九州大学が別府温泉(現在の九州大学別府病院)で、岡山大学が三朝温泉(現在の岡山大学三朝医療センター)で温泉療法の研究所を持っていました。
 
運動や趣味など、それぞれのストレス解消法がおありと思いますが、
北海道は多くの名湯に恵まれておりますので、宜しければ、温泉に浸かって、日頃のストレスを発散させてみてください(*^-^*)
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院長 阿部 多樹夫

うつ病について④

前回の続きになります。うつ病についてpart4をお話します^^

十分な休養をとり、服薬による薬物療法を続けていると時間の経過とともに、症状の改善を自覚できるようになります。

気力も回復し、物事への関心や興味も少しずつ湧いてくるようになります。また、体調も徐々に回復し、自然にやりたいと感じることが出てきます。このような時期になれば、回復の程度に合わせて1日の予定を立て、その予定にそって生活してみましょう。

ただし、回復期には調子のよい時と悪い時の差が大きく、体調もまだ万全の状態ではありません。調子がよい日についやり過ぎてしまうと、その疲れがうつ症状を悪化させる原因となってしまいます。どの程度のことをしたらどの程度疲れるかを予想しながら、無理のない予定を立てるようにしましょう。

また、予定は段階的に少しずつ増やすことが大切です。

その後、復職・復学などに向けて、主治医や場合によっては産業医や校医と相談しながら、無理のないペースで、以前の生活に戻れるように環境調整をおこなっていきます。

会社の上司や学校の担任、家族など周囲の理解と支援を受けながら、当分の間、短時間勤務や残業の免除などをお願いして、徐々に以前の勤務や授業に戻れるようにすることが大切です。

以上、うつ病について、一般的な治療の流れを説明させていただきました。

最後まで、見てくださってありがとうございました(*^^*)

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院長 阿部 多樹夫