最近ちょこっと忙しく、書物を読む機会が全般的に減っておりましたが、現在、世代を超えて愛読されている「鬼滅の刃」を約半日かけて全て読破しました^^
世代が違うことは充分に承知しておりますが、私の少年時代だった頃に愛読していた漫画は「北斗の拳」「キン肉マン」「キャプテン翼」「魁男塾」「ドラゴンボール」「はじめの一歩」など、まさにスポコン漫画世代でした^^;; 「はじめの一歩」以外、週刊少年ジャンプ(集英社)でした(*^-^*)
あくまで、院長雑談コーナーなので、ご興味のない方は、読み飛ばしてくださいm(_ _)m
その上で、同じ週刊少年ジャンプに連載されていた「鬼滅の刃」は、非常に精神年齢も高く、秀逸な作品だと思いました(*^^*)
少年でなく、もはや中年になった精神科医の立場からも十分に理解と共感ができます^^;; 私は以下の点に、強いメッセージ性を感じました。
①人間は、ちょっとした「油断や慢心・嫉妬・復讐心」のような「心の闇」に紛れて、心の隙間から悪い鬼(悪い考えや行い)が\入ってきます(>_<) 言い換えれば、誰でも鬼になりうる可能性があるということです。
②一旦、鬼に取りつかれて鬼化してしまうと、なかなか後戻りできなくなります。自分が鬼になったことを正当化してしまい、悪いことをしているという認識がなくなってしまうからなのでしょう。
③人間で強い意志を持続して保ち続けられる人は決して多くありません。心のどこかで、誘惑に負けてしまいそうな、もう一人の自分と毎日、悪戦苦戦している方も、少なくないと思います(*_*;
④この漫画に登場するキャラは、主人公やその妹(一時期、鬼にされました^^;;)を含めて、柱(人間サイド)・十二鬼月(鬼サイド)問わず、元々は全員人間です。しかも皆が同じぐらい、過去に過酷で辛い思いをしております。
その辛い時に、人間としての心を保つのか、復讐や欲望のために鬼に落ちるか、それ次第で、人生が決まってくるのだと思いました^^;;
生きていると、平穏な日々が永遠に続くことは、残念ながら決してありえません。人生の節目で必ず転換期が訪れます。それは、この「世の中は不常」だからです。
その時に、人間性を保ち続けることができるか、鬼に堕ちてしまうのか、ピンチの時にこそ、その人の本当の人間性が出るのだと思います^^
その辛い時に、人間性を保ち続けることが出来れば、きっと、いろいろなところから救いの手が差し伸べられ、周囲から信頼を得ることが出来るのだと思います(*^^*)
⑤そのためには、ピンチの時に人間性を保って鬼にならず、炭治郎や柱のように日々の努力と他者を思い遣る優しさを忘れないことが非常に重要だと思いました。
P.S. 日の呼吸の継国縁壱さんと、その兄で、NO2にまで堕ちてしまった上弦の壱(黒死牟)継国巌勝との差は、まさに上記した内容を代表するエピソードだと思います^^;;
「人は人、自分は自分」と考えることが何より精神の安定に重要だと思います。
一度しかない人生なので、決して鬼になど堕ちないで人間性を保って欲しいと思いました^^
鬼滅の刃を読んで、いろいろと考えさせられましたので、小生なりに、何かの参考になればと思い、ご報告させていただきます(*^^*)
札幌市 西区 琴似
精神科 心療内科
札幌ことにメンタルクリニック
院長 阿部 多樹夫