寒さが段々と厳しくなってきました

紅葉も進み、本格的な秋が訪れています。寒さも徐々に厳しくなり、先日は手稲山でも初冠雪が記録されました。冬が段々と近づいてきていると感じる季節ですね。

過去のブログでも取り上げたように、冬季は季節性のうつ病と呼ばれる病状があります。日照時間の短縮の影響が要因と言われておりますが、冬になると気分が沈みやすくなるというようなことが起こります。一般的にはうつ病などの精神的な病気には、人間関係や多忙など日常的なストレスにより引き起こされるイメージがありますが、必ずしもそうではないということになります。

他にも女性に限られますが、生理周期やホルモンバランスにより気分が沈みやすくなることもよくみられます。また性別に関わらず、十分に栄養が取れない時期が続き、低栄養状態になったときにも気分が沈みやすくなります(その他にも色々な変化があります)。

こうした、ある時期やある条件が持続すると生じる抑うつ気分については、時期や条件が解除されると自然回復するという特徴があります。春になると改善したり、栄養状態が回復すると気分も安定するといった変化が生じます。したがって、必ずしも専門的な治療が必要というわけではありません。

ただし、時には治療が必要となる場合があります。北海道の冬季は長いですし、定期的に気分が沈むということも日常生活が送りにくくなるきっかけになることもあります。そのような場合には、精神科や心療内科、時には婦人科、内科といった医療機関に相談をすることが推奨されます。治療は主に薬物療法がとらえます。うつに効果が認められている薬剤や漢方薬などが用いられることもあるようです。冬季のうつには薬物療法だけでなく、光療法と言われる治療も効果があると言われています。

ある時期や条件で気分が沈みやすい傾向があると感じられるときには、一度専門的なご相談を考えてみるとよいかもしれません。

 

○○の秋

9月も残すところあとわずかとなりました。街路樹も少しずつ色が変わり、秋の景色が段々と近づいているようです。

秋といえば、食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋など、様々な話題が取り上げられますね。美味しい食べ物も増える時期ですし、暑さも和らぎ運動もしやすくなります。そして、読書といえば、個人的には漫画が得意ですが、文学など活字に触れることも注目される時期です。

最近では、読書も紙ではなく画面で行うことが主流になってきております。中には聴く読書もあるぐらいです。ネットブックが出始めた頃は、なんとなく本は紙で読みたいものと思いながら利用していましたが、今ではその便利さが上回り、様々な書籍を画面で読むようになりました。おそらくそうなっている方も少なくないでしょう。

雑誌や書籍のサブスクリプションも登場し、定額で好きなときに興味のある本や雑誌を読むことができます。移動中やちょっとした時間潰しにも手軽に利用できるため、利用する機会も増え、次第にページをめくるのではなく、スクロールして読むことにも慣れてくると、当初のような違和感もなく、スマホで読書が自然になってきています。

心理療法でも慣れというのは、治療上利用する動物に備わった適応力の一つです。心理療法ではよく恐怖に対する治療に用いていますが、技術の進歩にも慣れというものは生じていきます。

しかし、場合によっては慣れが生じにくい、生じないということもあります。人間であれば慣れたくないと抵抗することもあるかもしれません。私も昔から大好きなとあるバスケットボール漫画は、今でも紙で読みたくなります。何度読んでも、昔と同じように興奮、感動してしまうその漫画は、やはり画面をスクロールするよりも、紙をめくって読みたいなと思います。

読書の秋なので、久しぶりに全巻読み直してみようかと思う、この頃です。

秋が訪れているようです

記録的な暑さと言われていた日々もようやく終わりとなったようです。ここ数日は長袖でも肌寒さを感じる時間ができるようになり、秋が訪れているようです。

寒さの訪れと共に、時折耳にするお悩みに冷え症というものがあります。冷え症だけの相談を受けた経験はありませんが、患者さんの中には特にこれからの時期に冷え症に悩むというお話を伺うことがあります。

心理療法でも間接的にではありますが、この冷え症の改善が期待できる方法があります。それはリラクセーションと呼ばれる方法で、主に筋弛緩法と言われる緊張を緩める方法と呼吸法と言われる腹式呼吸による呼吸調整を組み合わせた方法です。

リラクセーションは心身相関という概念をもとにした方法です。緊張とリラックスした状態は拮抗する(同時に生じない)ものという前提で、心と身体が互いに影響し合うという原理を利用し、身体の方からリラックスした状態を作り、心の緊張と拮抗させて心の安定をはかります。

このリラクセーションが上手にできるようになると、手足の指先の末梢血管の拡張から皮膚温の上昇が得られることがあります。なので、寝る前にリラクセーションをすると、手先や足先がポカポカと温かい状態で床につけるようになることがあります。

書籍等でも紹介されている方法が多数ありますので、ご興味のある方は一度お手に取ってみていただくと、これからの季節に少し役に立つかもしれません。

最近の身近なニュース

本日で8月も終わりますが、30℃を超える日もあるようで、まだまだ残暑が続いておりますね。寝苦しい夜は先週に比べると減っておりますが、暑さはまだしばらく続くようです。

ここ最近、クリニック近隣では、大型の蛾の大量発生が話題になっております。ニュースでも取り上げられ、クリニック周辺の見慣れた風景がテレビに出ておりました。今のところ、地下鉄駅周辺に発生しているようで、クリニックのビルでは見かけておりません。

蛾をはじめ、虫というものは時に心理療法の治療対象となることがあります。もちろん、虫が苦手な方はたくさんおられますし、苦手なものは何でも治さないとならないということではありません。虫が苦手であることが日常生活に支障をきたす程である場合は、治療が必要となることがあります。

心理療法では、過去にもご紹介したことのあるエクスポージャーという技法を用いて、虫への恐怖を克服していきます。段階的に虫への接近を試みて、恐怖を低減させていきます。虫を好きになる可能性は極めて低いですが、日常生活上の支障を改善できる可能性が高い方法の一つです。

しかしながら、どうにも蛾というのは恐怖が低減できるとは思えないフォルムをしているというか・・・。もし、蛾が恐怖の対象であった場合には、仕方ないのでは無いかという気持ちになってしまいそうです。そんなことを考えながら、最近のニュースを見ておりました。

早く蛾の発生が収まってくれることを祈っています。

ついつい先延ばしてしまうときの工夫

暑さと雨が続き、北海道なのにジメジメとした日々が続いております。「北海道の夏はからっとしている」「暑くても過ごしやすい」と言われておりましたが、どうにもそのようには感じられません。暑さに悩まされる日々はまだしばらく続くようです。

当クリニックも11日から15日まで夏期の休診となりますが、夏休みの真っ只中ですね。夏休みも残り半分程度となり、宿題に追われている、もしくはお盆明けから追われるという人も少なくないかもしれません。

確か、昨年の同時期に宿題をギリギリに終わらせるのは少数派のようであるというお話を、ある学習塾が取ったアンケートをもとに記事にしたと思います。そのため、もうすでに終わらせている人も多いのかもしれません。

しかしながら、やろうと思ってもついつい先延ばしてしまうという人も少なくないでしょう(私自身も含めて)。心理学においてもモチベーションの研究は古くからされおり、これまでにもいくつか記事にさせていただきました。

例えば、ご褒美と罰というのはモチベーションと関係しますが、それぞれに特徴があり、ご褒美はその時の行動を動かす力が弱いですが、身につくと行動は持続すると言われています。反面、罰はその時の行動を動かす力が強いですが、持続しにくいと言われています。

加えて、ご褒美の内容によっても違います。お金や物といったご褒美の場合、行動は一過性で終わってしまいます。称賛や自分自身をほめるといったご褒美の方が行動は継続しやすいのです。

このような知識が学生時代にあれば、あの頃の自分も何か変わっていたかもしれないと、心理学を始めてから度々考えておりました。特にこの季節はよく考えてしまいます。面倒な物事に取り組む自分自身を労いながら、問題(先延ばしたくなる面倒なこと)を解決できるよう私自身も日々工夫をしているところです。

厳しい暑さが続いています。

公認心理師、臨床心理士、事務長の春名です。

連日厳しい暑さが続いております。北海道だけではなく、日本全国で記録的な暑さのようですね。今日も朝から日差しが強く、少しの距離を歩くだけでも汗が出てきました。しばらくこの暑さは続くようですね。

先日たまたま見た天気予報での解説では、この暑さの原因の一つには台風もあるそうです。日本の南側にあった台風5号が上空に空気を巻き上げ、巻き上がった空気が日本列島あたりで下がってくることが暑さの一因とのことでした。台風まで関係しているとは思いませんでした。

暑さといえば、熱中症です。油断ならない日々が続いていますが、このような身体的な不調をきたすリスクが高まる時期になると、いつも思い出す言葉があります。以前にも書いた内容ではありますが、「なんでもこころの問題のせいにしない」という言葉です。

これは、学生時代の先生が言って言葉ですが、カウンセラーという仕事をしていると、人の不調を耳にすると、つい「誰かとうまくいってないのでは?」「なにか嫌なことがあったのでは?」と考えてしまいます。学生の頃に心理学を学んでいたころも、そのような態度で相談を受けるものだと想像しておりました。

そんな中で、先程の言葉を聞き、とても感銘を受けたことを今でも覚えています。確かに、人の不調の理由は身体の変調、身体由来のものもあるものです。そのことを必ず頭の片隅においておかないと、こころのケアではなく身体のケアが必要な人に適切なケアが遅れてしまいます。もちろん、身体的な疾患は専門ではありませんので、なにかできるわけではないのですが、気づいて適切な医療機関につなげることができれば、患者さんにとって最も有益であると思います。

まずは身体の問題がないということを確認してから、こころの問題に焦点を当てるように、日々気をつけている今日このごろです。

本日は七夕です

公認心理師、臨床心理士、事務長の春名です。

本日、7月7日は七夕ですね。七夕まつりが開催されていた地域では、数年ぶりに通常開催できるという話題をニュースで目にするようになりました。やはり、以前の日常が戻りつつあるのですね。

北海道では七夕は8月7日ですが、改めて「どうして8月なんだっけ?」と疑問に思ったので、少し調べてみました。「確か暦がどうとか・・・、日の長さがどうとか・・・」という記憶でしたが、微妙にハズレていたようです。

どうやら、旧暦と新暦が関わっているようです。明治に新暦として「太陽暦」が採用されるようになりました。旧暦と新暦では1ヶ月ほど日付がずれるということが生じたそうです。

そこで、7月7日に七夕を行っている地域は、旧暦の七夕の日付をそのまま採用しているということだそうです。北海道や他の一部地域で8月7日としているのは、新暦を採用し、日付だけは7日として8月7日を七夕としているということでした。

つまり、暦は関係していますが、日の長さは無関係だったようです。さらに、七夕は中国から伝来した「七夕伝説」がルーツであること、短冊に願い事を書くのは中国伝来の儀式「乞巧奠(きっこうでん)」がルーツであるとのことです。織姫と彦星が年に一度会う日という程度の知識だったので、改めて勉強になりました。

本日はあいにくの曇り空なので、星を眺めることは難しいかもしれませんね。北海道の七夕では、きれいな星が眺められるとよいですね。

公認心理師の合格発表がありました

公認心理師、臨床心理士、事務長の春名です。

6月も最後の週となり、気が付けば今年も半分が終わろうとしております。ここ数日は蒸し暑い日が続きいておりますが、まだしばらくは続くようです。北海道の夏はカラッとしていて、暑くても過ごしやすいということが定番でしたが、そうとも言えない蒸し暑さが例年続いていますね。

さて、以前のブログで公認心理師の試験が実施されたことを話題にさせていただきました(R5年5月15日ブログ)。その合格発表が6月9日に行われたそうです。厚生労働省の発表によりますと、2,020人が受験し、1,491人が合格。合格率は73.8%であったそうです。およそ1,500人の新たな公認心理師が誕生したことになります。

国家資格として誕生した公認心理師も資格化して6年が経過したことになります。公表されている資料では令和5年3月末時点で、全国に69,875人の公認心理師がおり、北海道には2,383人がいるそうです。歴史としてはまだまだ浅い国家資格ではありますが、着実に人数は増加していっていると言ってようでしょう。今後も益々の発展が期待されます。

公認心理師の実態や諸活動を調査した令和2年の報告では、公認心理師が最も関わりを持っている領域は教育領域だそうです。スクールカウンセリングが中心であり、そのほか大学の教員や大学・専門学校の相談室といった現場に公認心理師はいるようです。医療領域の割合も大きく、医療を専門として活動している公認心理師も数多くいるのが現状です。

その他は、福祉領域、司法領域、産業領域といった幅広い分野に公認心理師はいるようです。数年後には、皆さんの身近にも公認心理師という人がいる、珍しいことではない、そんな未来がくるかもしれません。

今後も自身の知識・スキルをブラッシュアップし、公認心理師として一人でも多くの人のお役に立てるよう精進したいと思います。

以前の生活が次第に戻ってきました

公認心理師、臨床心理士、事務長の春名です。

5月も終わり、本日からは6月となります。新型コロナ感染症がインフルエンザと同様の5類感染症に移行して、もう少しで1ヶ月となりますが、以前の生活が戻ってきていると感じる機会が増えていますね。

6月といえば、北海道ではよさこいや北海道神宮祭などのイベントが開催される時期です。今年は特別な対策の無いお祭りになるのでしょう。先週末には琴似神社祭も開催されておりました。クリニックのあるビルの通りに露店がたくさん立ち並び、多くの方で賑わっておりました。天気にも恵まれ、楽しまれた方も多かったのではないでしょうか。

また、各小学校では運動会も開催されています。どの小学校でも、コロナ前と同様の形での開催には至っていないようですが、観覧人数の制限がなくなるなど、特別な規制はなされていていなようです。

コロナ感染者数が週に1回の発表となったこともあり、コロナが身近だった日々が嘘のように、元の生活となっています。アルコールの設置を見なくなり、アクリルボードがない風景を見る機会も増えています。

当クリニックでは引き続き、アクリルボードの設置、アルコールの設置、マスクの着用のお願いをしております。以前の生活を取り戻しつつ、引き続き感染拡大防止にもご協力いただけますようお願います。

第6回公認心理師試験が行われました。

公認心理師、臨床心理士、事務長の春名です。

昨日、5月14日に第6回公認心理師試験が行われました。

公認心理師とは、日本における心理学を背景とした専門職・技術職の国家資格です。過去のブログでもご紹介させていただきましたが、日本では臨床心理士と呼ばれる資格が歴史も長く、現在も多くの専門家が活躍しております。受験資格を得るためのカリキュラムも整のっており、専門職としての技能を担保するための教育、受験制度、更新制度といったシステムを有している資格です。

公認心理師は第6回とあるように、まだまだ歴史は浅いですが、心理学を背景とした唯一の国家資格であり、将来的には日本における心理技術者にとって必須の資格となると予想されます。現在も医療、教育を中心に、産業や司法など様々な領域でサービスを提供しています。

私は第1回の試験で資格を取得し、当時の平成30年度公認心理師登録者数は、全国で24,065人、北海道は424人だったそうです。そこから、令和4年度では全国で69,875人、北海道で2,383人となっているそうです。今後も有資格者が徐々に増えていくことになるでしょう。

毎年、試験実施の話を見るたびに、受験当時を思い出しますが、日々の臨床に必要な勉強とはやはり異なり、受験勉強というものは良い思いとは言えません。国家資格に限らず、大学や高校、資格など様々な受験の機会がありますが、多くの方にとってストレスとなるものでしょう。学び、得るものももちろんありますが、できればもう受験はしたくないものだなと思いながら、この記事を書いています。

公認心理師を受験された皆様、お疲れ様でした。できるだけ多くの人が公認心理師としてスタートをきれることを祈っております。