認知症について⑥

今回は、アルツハイマー型認知症の検査についてですが、

まずは、しっかりとした問診・視診・触診など症候学的な診察が非常に大切です。患者さんからじっくり話を聴いて、慎重に診察することがとても重要です。

その次に、HDS-R(長谷川式認知症スケール)やMMSE(Mini-Mental State Examination)、CDT(clock drawing test:時計描画試験)等の心理検査を行うことが一般的です(まだまだ細かい検査は沢山ありますが、割愛しますね^^;)

 

HDS-Rは30点満点の試験で、20点以下なら認知症の疑いがあります。MMSEも30点満点の試験で23点以下なら同様に認知症の可能性があります。CDTでは、15点満点で評価して、点数が低い方が、認知症の可能性が高まります。

画像検査として頭部CTまたはMRIを行います。そこで、脳萎縮の程度を評価します。

さらに、最近では除外診断が主目的になりますが、頭部SPECT(脳血流を見る検査) ダットスキャン:ドーパミントランスポーターシンチ(黒質線条体ドパミン神経の変性・脱落の評価) MIBG心筋シンチグラフィーといった検査を行う場合もあります。

その上で、総合的に判断して診断を行います。

これで、アルツハイマー型認知症についてのお話は終了させていただきます。

次回はレビー小体型認知症について、お話したいと思います(*^^*)

 

P.S.最近、急に寒くなってきまして、当クリニックに来院される患者さんも風邪を引かれている方が、増えてまいりました。皆様、季節の変わり目なので、何卒、ご自愛ください^^

札幌 西区 琴似 二十四軒

心療内科 精神科

札幌ことにメンタルクリニック

院長 阿部 多樹夫

 

 

札幌市医師会 認知症サポート医について。

本日2018年10月28日に、診察終了後の14:00から札幌医師会の認知症サポート医フォローアップ研修会に参加してきました。

西区からも、12名の熱心な方々が参加されていました。お陰様で、非常に有意義な意見交換会ができました^^

以前に当クリニックのブログにて、認知症のお話をしましたので是非とも、ご紹介したいと思いました^^

相談件数が多すぎて全てに対応させて頂くまで、お待ち願うかも知れませんが、札幌市(西区)で認知症に関連したことでお困りのご本人・ご家族・知人・施設の方は、西区の地域包括支援センター(3か所あります)か区役所、もしくは当クリニックにご相談ください。

札幌市から認知症サポート医にご推薦いただいたからには、真摯に最大限、患者様のために、精一杯努力する覚悟で臨みたいと思います^^

もの忘れ 認知症でお困りの方は、お気軽に当クリニックにご相談ください。

札幌市 西区 琴似 二十四軒

心療内科 精神科

認知症専門医・認知症サポート医

札幌ことにメンタルクリニック

院長  阿部 多樹夫

 

 

 

当クリニックの認知症について③

認知症について、第3回目になります。

前回、頭部MRIで脳全体(大脳皮質)と海馬が委縮していることが、お判り頂けたとおもいます。一般的に、症状の進行と萎縮の進行は、比例する傾向があります。

では、なぜ萎縮するのかと言いますと、下の図をご覧ください。アミロイドカスケード仮説といわれている一連の機序が、有力視されてます。

何だか難しい言葉が、沢山でてきますね^_^;

そこで、すごくわかりやすく水戸黄門風に言います^^

①まずβアミロイド(越後屋)という悪いタンパク質が、40・50歳頃から徐々に、脳内に溜まってきます。

②それが一定量以上に達すると、今度はもっと質の悪いタウ蛋白(悪代官)というタンパク質にバトンタッチして、70歳頃から脳を激しく攻撃し始めます。

③その結果、タウ蛋白(悪代官)が脳神経細胞が深刻なダメージを与えます。それが脳の萎縮につながると言われてます。下の図をご参照ください。

④ちなみに、そんな越後屋・悪代官を懲らしめてくれる黄門様も存在します^^それは、次回にお話しします。

 

認知症を全5回でお話する予定でしたが、話したいことが多すぎて、このままでは、とても無理そうです(/ω\)

延長戦になるかもですが、どうか、お付き合いくださいm(_ _)m

次は第4回目ですが、何とか10話以内に完了するように頑張りますので、宜しくお願いします(*^^*;)

札幌 西区 琴似・二十四軒

心療内科 精神科

院長 阿部 多樹夫

 

認知症について、分かりやすく、詳しくお話したいと思います①

札幌ことにメンタルクリニックは、日本認知症学会専門医・指導医、認知症サポート医をしておりますので使命感から認知症について、少し詳しく説明したいと思います(^^;

今回は認知症について第5回に分けてお話ししたいと思います。

まず、誤解がないようにあらかじめ申し上げておきますが、認知症は年齢を重ねたら、ほぼ100%なる病気です。85歳で30% 90歳で60% 95歳で80% 100歳で99%の方が、認知症になります。長生きされることは非常に喜ばしいことですが、同時に認知症になるリスクも加齢とともに上昇していくことをご理解ください。

患者さんの人数で言いますと、2012年時点で日本での認知症患者数は462万人。認知症予備軍といわれる軽度認知障害(MCI)の方が400万人がいることがわかりました。分かりやすく言いうと、全人口の6.7%くらいが何らかの認知機能障害があるという計算になります。

あと7年後の2025年には、認知症患者数は730万人 MCI数は584万人に達すると予測されてます。人口減少も伴いますので、この時点では、全人口の11%くらいが何らかの認知機能障害をもっている予想になります。75歳以上が全人口の18%以上になる2025年問題とも絡んできますね^^;

それでは「認知症ってどんな状態なの?」という質問に、わかりやすくお答えしますと「いったん発育した脳が損傷されて、その結果として、それまでに獲得された知的能力が低下してしまった状態。」となります。

下の図の通り、認知症を発症すると、ゆっくりですが、確実に知的能力が低下していきます。

「年を取れば、多少の物忘れくらいするよ」というご意見もあるでしょう。ごもっともなご意見です^^ そのとおりです。

しかし、通常のもの忘れ(生理的・加齢性変化)と病的なもの忘れ(認知症)とは、全く別物なのです。

下の図をご覧ください。わかりやすく解説すると、認知症では、自覚(病識)がなく、昔のことはよく覚えてますが、近時記憶低下(数分から数日前の記憶がなくなります)。見当識障害(時間→場所→人物の順でわからなくなります)。そして、緩徐ですが進行してきます。そして、進行を遅らせるには治療が必要となります、その点が決定的に違います。

本日は、ここまでにさせてください。第2回目は、更に詳しくお話させていただきます(^ω^)/

札幌市西区 琴似

心療内科 精神科

もの忘れ・認知症

札幌ことにメンタルクリニック

院長  阿部 多樹夫

日本認知症学会 指導医・専門医

 

 

 

 

温泉のご紹介1 番屋の湯♨ 心身ともに癒されます^^

2018年10月14日の日曜日に、石狩市にある温泉に日帰りで、出かけてきました。

泉質やモール湯で、琥珀色でした。肌がすべすべになり、体の芯まで温まりました(*^-^*)

食事は館内のレストランでいただけます。海鮮丼やお蕎麦、ラーメンなどもあるようでしたが、バイキングにしました。種類も豊富で、とても美味しかったです。お値段もお手頃です。

温泉から海岸線も近く、夏は海水浴も楽しめて人気がある場所です。ビーチまで行きましたが、風は冷たかったですが、秋の海がとても奇麗でした。

宜しければ、温泉とセットで行ってみてください。精神・心理的にもとても癒されます^^

先日、日本認知症学会学術集会の話題に触れましたので、次回は認知症について、お話ししたいと思います。

札幌 西区 琴似 二十四軒

心療内科 精神科

札幌ことにメンタルクリニック

院長  阿部 多樹夫

2018年度 日本認知症学会学術集会に参加してきました

私が以前からの所属している日本認知症学会が札幌市で開催されましたので参加してきました^^ 

 

2018年10月12日~10月14日まで札幌市で開催されます日本認知症学会に、診察時間の昼休みに参加してきました。会場はロイトン札幌です。

明日も診察終了後に参加して、頑張って勉強してきます(*^^*)

 

当クリニックは、心療内科・精神科の疾患を全般的に診させて頂いております。

一方で、認知症サポート医・日本認知症学会専門医・指導医でもあります。物忘れ(もの忘れ)認知症 外来も積極的におこなっております。

認知症でお困りの、ご本人・ご家族・施設の方は、お気軽にご相談ください。

精一杯、お力になりたいと思っております。

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心療内科 精神科

認知症 もの忘れ(物忘れ)外来 

院長 阿部 多樹夫

強迫性障害について② 

強迫性障害(OCD)について、2回目となります。

それでは、札幌ことにメンタルクリニックにて、行っている強迫性障害についての治療についてお話をさせていただきたいと思います^^

もし強迫性障害の可能性があり、その症状でお悩みならば、まずは、しっかりと診断をつけてもらうことが非常に大切となります。

強迫性障害の原因として、脳内伝達物質(脳内ホルモン)の一つであるセロトニンの働きが低下しているといわれております。そのため、セロトニンを補ってくれる薬物療法が有効となります。一般的にSSRIと言われる薬剤が効果があります。

また、薬物療法と並行して強迫症状を徐々に緩和していくためのに、患者様の考え方 受け止め方 対処方法などを学んでいく心理療法(認知行動療法)が有効と言われていおります^^

実際に薬物療法と心理療法で、症状が劇的に改善された患者様を数多く担当させていただいた経験があります。

①精神療法(認知行動療法):不安刺激についての考え方や受け止め方を変化させることによって不安が強くならないようことを目指します。

不安刺激に対して敏感に反応しなくなるように慣れていただくことも必要になる場合もあります。ただし時間はかかりますが、徐々に強迫的な儀式は軽減してきます。

②薬物療法:SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を中心とした、抗うつ薬を中心とした薬剤の服用が効果が認められます。以前は3環系抗うつ薬が主流でしたが、現在は、SSRIというセロトニンを使用することが一般的となっております。

しっかり治療すると、非常の良くなる疾患です(*^^*)

それでは、次回は第3回目で、更に詳しくお話申したいと存じます^^

 

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院長 阿部 多樹夫

 

強迫性障害(OCD)について、症状・診断・治療のご説明いたします。part①

今回は、強迫性障害(OCD:ovbsessive)について、3回に分けて、ご説明したいと思います。

強迫性障害は、わかりやすく言うと「わかっちゃいるけど、どうしてもやめられない」という考えと行為が繰り返しおこり、自分の意志では制御できない疾患です。

もう少し詳しく言いますと、

強迫思考(観念自分でもバカバカしいことだとわかっていても、そのことが頭から離れずに、考えまいとしても自分の意志ではどうにもならない状態をいいます。

強迫行為:ある行為をしないでいられない状況をいいます。たとえば、不潔に思えて過剰に手を洗う、戸締りや火を消したかなどを何度も確認せずにはいられないといったことがあります。

「鍵を閉めたかな?」「ガスコンロの火を消したかな?」と、不安になって家に戻るなど、多くの人が経験あると思います。それは別に異常ではありません。

ただし、その不安やこだわりが度を超して、明らかに「やりすぎ」と周りの人から言われたり、そのため日常生活に支障をきたすようになった場合は「強迫性障害」の可能性が強く疑われます。

 

第2回目に、続きます ^^) _

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心療内科 精神科

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院長 阿部 多樹夫

 

パニック障害について③

第3回目は、パニック障害の治療に関して、お話したいと思います^^

「お薬を使わずに治療したい」と希望される患者さんもおられますが、パニック障害に関しては、薬物療法を行っていくことをお勧めします。他の不安の疾患と比べて、薬物療法の効果が大いに期待できるからです。最近ではSSRIといわれる抗うつ薬を使用することが一般的です。

薬物療法を開始すると、パニック発作や予期不安といった症状が徐々に軽減してきます。症状をコントロールできるようになると、安心感と回復への自信が持てるようになります。並行して精神療法を少しずつ行っていきます。

広場恐怖が合併している場合は、「自分がコントロールができない」状況に対する苦手意識を少しづつ払拭していく必要があります。そういった状況での成功体験の積み重ねて徐々に自信を取り戻していきます。そのようなアポローチから精神療法を行っていく必要があります。

一方で広場恐怖症を合併していない場合は、自身の考え方の癖を見直して、物事のとらえ方を整理することで、不安が悪循環しないようにしていきます。

このような地道な積み重ねが非常に大切で、徐々に回復に向かっていきます。

パニック障害の治療は個人差がありますが、少なくとも1年間はお薬を続けたほうが良いと思います。そして少しずつお薬を減薬し、経過をみていくのが一般的な治療となります。

最後まで、見てくださってありがとうございました(*^-^*)

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心療内科・精神科

札幌ことにメンタルクリニック

院長  阿部 多樹夫

 

 

 

パニック障害について②

パニック障害の原因は、ストレスや疲労 人間関係の悩みなど環境要因や体質(遺伝性)も関係しますが、最も強く影響されるのは、脳内神経伝達物質(脳内ホルモン)のバランスの乱れであるといわれてます。

特にセロトニンとノルアドレナリンが関係していると考えられています。セロトニンは、ほかの脳内神経伝達物質の情報をコントロールし、精神状態を安定させる働きがあります。またノルアドレナリンは、不安や恐怖感を引き起こし、血圧や心拍数を上げる働きをします。このバランスが乱れることにより、パニック症状が出現します。

パニック障害は100人に3人程度の割合で出現する誰にでも起こりうる病気です。ある日突然強い発作におそわれ、心臓や呼吸器の疾患を心配したり、再発の不安から外出できなくなるなど、日常生活に大きな支障をきたします。

重要なポイントとして、発作を経験したら、まずは念のために循環器科・呼吸器科など受診してみることが必要です。心臓や呼吸器系に本当に異常がないか調べてもらうことをお勧めします。そして異常がなければ、早めに心療内科や精神科を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切となります。

次回、第3回目に続きます ^^) _

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院長 阿部 多樹夫