全般性不安障害について②

第2回目になりますが、全般性不安障害について、治療を中心にお話したいと思います(*^^*)

前回でもお話しいたしました様に、全般性不安障害は、漠然とした不安が持続することが特徴です。

治療は、1.非薬物療法認知行動療法 運動療法など

    2.薬物療法

1.認知行動療法: 認知(考え方)は人それぞれで、物事の受け止め方や考え方は違います。すごく分かりやすく言うと、自分にとって苦痛や不都合となる考えを、自分にとって幸福や好都合となる考えへ変えていく作業のことを認知行動療法だと理解してください。 最近、この治療法が行われるメンタル系の疾患が飛躍的に増加しています。  認知行動療法と薬物療法とを併用した治療法により、更に高い治療効果が望めます。ただし、認知行動療法を行うには当たっては、信頼できて、常に寄り添ってくれる公認心理師(臨床心理士)の存在が非常に重要となります。

2.薬物療法:認知行動療法も大切ですが、即効性がないのが弱点です。何故ならば、自分の考えを1日で変えることが可能ならば誰も苦労しません^^;自身を変革していく認知行動療法は効果出現まで膨大な時間がかかることも理解してください。

そこで即効性があるのが薬物療法です。抗不安薬や抗うつ剤(SSRI SNRI)を服薬することによって比較的、短時間で不安が和らぎます(誰しも苦痛が長引くのは辛いですから^^;)。副作用がないように十分な注意を払いながら必要最少量のお薬を処方して一旦、不安の軽減を目指します。その上で認知行動療法を並行しておこなうことが患者さんにとって一番苦痛が少ない治療法になると考えてます。当然、いずれはお薬に頼らなくても不安がコントロールできるように導いて差し上げることも、主治医の非常に重要な役割だと思います(*^^*)

札幌ことにメンタルクリニックは、2019年6月3日から常勤の公認心理師(臨床心理士)勤務いたしておりますので、今後は、安心してを相談をお受けすることが可能となります^^

それでは、全般性不安障害について、次回にお話させていただきました^^

明日は、温泉(日帰りですが。。(/ω\))に行ってゆっくりしてきたいと思います^^ 皆様もストレス発散できますように良い週末をお過ごしくださいませ(*^^*)

札幌 西区 琴似 二十四軒

心療内科 精神科

札幌ことにメンタルクリニック

院長 阿部 多樹夫

全般性不安障害について①

今回は、全般性不安障害(GAD)について2回に分けて、お話したいと思います^^

全般性不安障害(GAD)とは、分かりやすく言うと、漠然とした不安感や心配が過剰に続いてしまう疾患です。

6カ月以上、症状が持続する場合に診断されます。とりこし苦労が増え、不安が雪だるま式に増えるので、ご本人も疲弊し倦怠感や疲労感が強くなっていきます。また、ソワソワやイライラ感が募り、落ち着きもなくなってきます。自分自身でコントロールできないほどの過剰な不安のほか、警戒心 疲れやすさ 不眠症などが出現してきます。

心の不調のサインは体の不調としてもでてきます。頭痛 肩こり 体のしびれ めまい ふらつき 動悸 息切れ 喉が詰まった感覚 吐気 腹痛 下痢 便秘などがみられます。

患者さん自身では心理・精神的な問題だと気づかずに、内科や外科等身体科を転々と受診されさまざまな検査を受けられて、何も問題がないと言われた方も沢山おられます^^

男女問わずどの年齢でも発症する可能性があります。多くの場合はストレスによって引き起こされると考えられています。

全般性不安障害では、特に大きな理由や根拠はないのですが、身の回りの全てのことが不安材料になってしまいます。他の不安障害であるパニック障害や社交不安障害などは特定が難しい状況も存在します。

全般性不安障害の方は、日常生活で直面する全てのことが漠然とした強い不安材料になることが特徴的です。速やかな治療で改善する可能性は十分にありますんで、まずは、お近くのメンタルクリニックや心療内科などで、ご相談されても、良いかと思います^^

では、次回は、治療や対処法についてお話したいと思います。

きちんと受診・治療をされたら、症状が軽減する可能性が高いので、ご安心してください^^/

札幌市西区 琴似・二十四軒地区

心療内科・精神科

札幌ことにメンタルクリニック

院長  阿部 多樹夫

 

院内の模様替えについてご紹介します^^

先日、当クリニックの待合室と診察室にて、プチ模様替えをいたしました^^

観葉植物の位置を換えて、玉ねぎ型の加湿器(上からモクモクと蒸気が出るタイプ)を2個置きました(^^) 真冬は3個にする予定です。

診察室の加湿器には、アナ雪の可愛いフラッシュプレートも付けれましたので、気分もちょこっと、ほっこりしております^^

来院された際にでも、見ていただければ幸いです(*^-^*)

札幌 西区 琴似

心療内科 精神科

札幌ことにメンタルクリニック

院長 阿部 多樹夫

 

P.S.当クリニックは、日本認知症学会 認知症専門医・指導医 認知症サポート医として、認知症 もの忘れ(物忘れ)外来も、積極的に行っております。特にBPSD(周辺症状)を専門的に対応しております。

お困りのご本人・ご家族・施設の方からのご相談も、お受けしております。

札幌 認知症 物忘れ(もの忘れ)外来について

いよいよ2018年も寒くなってまいりました^^

同年9月1日に継承開業してから、あっという間に2か月半が経過しようとしております。

今年も、あと1か月半で終わりですね^^

昨日、久しぶりにゆっくり散歩し、その後にレンタルDVDを借りてきて、コーヒーを飲みながら映画鑑賞できました。

休日にしっかりと気分転換をすることは、メンタルヘルスの向上にも非常に大切です(*^-^*)

当クリニックは、日本認知症学会 専門医・指導医 札幌市の認知症サポート医として、認知症 物忘れ(もの忘れ)外来も積極的に行っております。

お悩みのご本人・ご家族からのご相談をお受けしております。お気軽にご相談ください。研修医の頃から、ずっと認知症医療に携わってきましたので、少しでも、ご貢献できれば幸いであります。

追伸ですが、令和元年6月3日から、札幌ことにメンタルクリニックとして、移転・院名変更することになりました。

今後も「認知症専門医・サポート医」「心のかかりつけ医」「心の専門医」として、地域の皆様に、最大限ご貢献できるように努力する所存です^^

札幌市西区 琴似 二十四軒

認知症 物忘れ(もの忘れ)外来 心療内科 精神科

院長  阿部 多樹夫

 

もの忘れ 認知症について⑨ 

本日は、血管性認知症についてお話したいと思います。

血管性認知症とは、分かりやすく言いますと脳卒中(脳梗塞 脳出血 くも膜下出血等)によって、脳が障害を受けたため後遺症として認知症になったものと理解してください。下の画像1は脳出血です。画像2は脳梗塞です。

 

画像1

画像2

つまり、脳出血や脳梗塞によって脳がダメージを受けて、認知レベルが低下してしまった認知症を血管性認知症といいます。

下の図1をご覧ください。脳卒中を繰り返すたびに、段階的に症状が進行していきます。つまり再発のたびに悪化してきます。

図1

【予防・治療】

血管性認知症にならないためには、まずは普段からの生活習慣が非常に大切です。

辛いでしょうけれど、喫煙 肥満 過度な飲酒 睡眠不足から改善しましょう^^ それから高血圧症や糖尿病 高脂血症のある方は、その治療をしっかりと行うことも大切です。また不整脈(特に心房細動)のある方は、血栓(血の塊で脳梗塞の原因)が出来やすくなりますので、その治療が非常に重要となります。

一旦、脳卒中になった場合は、再発を繰り返さないことが大切です。そのため、血液がサラサラになるお薬や、血圧を下げる降圧剤などをきちんと服用することをお勧めします。血管性認知症は、予防によりかなり防ぐことができますので、健康なライフスタイルを目指しましょう。

今回は脳血管性認知症について、お話させていただきました^^

次回は、FTLD(前頭側頭葉変性症)について、お話したいと思います(*^^*)

札幌 西区 琴似 二十四軒

心療内科 精神科 認知症・もの忘れ

札幌ことにメンタルクリニック

院長  阿部 多樹夫

もの忘れ・認知症について⑧

もの忘れ・認知症について次は、レビー小体型認知症(DLB)のお話を続きをさせて頂きます^^

前回認知症について⑦でお話ししたとおり、レビー小体型認知症はパーキンソン病と基本は同じものと、お考えてください。

厳密には、1年ルールというものがあり、パーキンソン症状が出現する前から認知症が出現した場合とパーキンソン症状が出現してから1年以内に認知症が発症したものがレビー小体型認知症と呼ばれます。パーキンソン病の経過で1年以上経過してから認知症が出現したものをPDD(パーキンソン病による認知症)といいます。偉い先生方が分類されたので仕方ありませんが、わかりずらいですよね^^;どちらも、基本的には同じ疾患だと思って下さい。

治療に関しては、認知機能障害に加え、幻覚、妄想、うつ、アパシー、レム睡眠行動異常などBPSD(行動・心理症状)、パーキンソニズム、自律神経症状など多彩な症状がありますので、患者さんごとに最適な治療方針が必要になります。

【非薬物療法】まずは薬剤を使用せず、ケア(認知症があったとしても、その人らしく生活できるように支援をすること)や認知症リハビリテーションなどを行うことで症状の改善が望めます。まずは、何よりも優先させて行うべき治療です。その次に、必要ならば下記の薬物療法も検討してみます。

【薬物療法】

●認知機能障害については、AD(アルツハイマー型認知症)でも使用されているドネペジルの少量から中等量が有効です。

●幻覚妄想に対しては少量の抗精神病薬を使用することがありますが、DLBは薬剤過敏性が強く、またパーキンソン症状を悪化させるリスクもありますので、リスペリドン、ペロスピロン、クエチアピン、オランザピン、アリピプラゾールなどを最小量から使用します。また漢方薬の抑肝散、抑肝散加陳皮半夏、当帰芍薬散なども有効な場合もあります。

●レム睡眠行動障害(RBD)に対しては、ロラゼパムやラメルテオンなどが有効です。

●うつ・不安に対しては、SSRIやSNRIといった抗うつ薬が有効な場合があります。

●パーキンソン症状(パーキンソニズム:無動 振戦 固縮)に対しては、ドパミンを補ってくれる抗パーキンソン病薬であるL‐ドパやドパミンアゴニストなどを使用します。

●非薬物療法:薬剤を使用せず、ケア(認知症があったとしても、その人らしく生活できるように支援をすること)や認知症リハビリテーションなどを行うことで症状の改善が望めます。

以上、DLB(レビー小体型認知症)についてお話させていただきました。次回は、脳血管性認知症についてお話ししたいと思います(*^-^*)

札幌 西区 琴似

心療内科 精神科

認知症 もの忘れ(物忘れ)外来

札幌ことにメンタルクリニック

院長  阿部 多樹夫

12月05日(水)の診察時間変更のお知らせ

医療講習会出席のため、平成30年12月5日(水)の診察時間は、通常より30分短く、9:30~12:30までとさせていただきます。最終受付時間は12:00までさせていただきます。

ご迷惑をおかけしますが、ご理解頂きますように、よろしくお願いいたします。

講習会の議題でも出ましたが、札幌市において精神科・心療内科領域問題で、「こころ」のお悩み・ご相談が非常に多いと伺いました。

精神科・心療内科医として、札幌ことにメンタルクリニックは、最大限患者様のお役に立ちたいと思っております。

札幌市を含めて道内の自治体とも密接な連携をいたしておりますが、さらに円滑な連携がとれるように協力関係を構築したい存じます^^

当クリニックは「こころの専門医」「こころのかかりつけ医」として、皆様の面らるヘルスの向上にご貢献したいと存じております(*^^*)

札幌 西区 琴似 二十四軒

心療内科 精神科

札幌ことにメンタルクリニック

院長  阿部 多樹夫

 

精神保健指定医研修会

本日、2018年10月31日の9:00~17:30まで精神保健指定医研修会に参加してまいりました。お陰様で無事に終了しました^^

①精神保健指定医と②日本精神神経学会認定 専門医・指導医のお話は、今後、機会があるごとに、分かりやすく詳細にお話ししたいと思います^^

しかし、とりあえず弾丸トラベルになってしまい、正直ちょっと疲れましたが、良い勉強になりました^^ 本日、学んだことを最大限に活かして今後の精神医療の臨床に役立てていきたいと思いました(*^^*)

次回から認知症の続きをお話しさせていただきます^_^;

札幌市 西区 琴似・二十四軒

心療内科・精神科

札幌ことにメンタルクリニック

院長  阿部 多樹夫

精神保健指定医の研修会

認知症のお話から一旦逸れますが、10月30日(火)午後~10月31日(水)まで、精神保健指定医の更新のため、大阪に研修会に行ってきます。

ところで、精神保健指定医っとなに?と思われる方もおられるでしょう。

精神保健指定医とは、精神医療において、患者さんの人権を最大限に擁護する上で一定の資質を備えた医師が必要だという時代の流れに伴って、1987年の精神保健法改正によって定められました。精神保健指定医は、申請に基づき厚生労働大臣が指定します。つまり国家資格で、試験に合格する必要があります。

もの忘れ 認知症について⑦

本日は、レビー小体型認知症について、お話したいと思います。

レビー小体型認知症とは、非常にわかりやすく言うと、パーキンソン病に認知症が合併したものと思って頂ければ、理解しやすいかと思います。そのため、パーキンソン病の症状である無動(動きが遅くなる)・振戦(手指の震え)・筋固縮(筋肉のこわばり)といった症状が見られる場合も多くあります。

原因として脳内で相対的にドパミンが不足していると言われてます。また、脳内にレビー小体といわれる異常タンパク質が蓄積します。

【症状】初期は記憶障害が目立たないことが多く、むしろ幻視 レム睡眠行動異常(睡眠中に大きな声での寝言、奇声を上げる、怒る、怖がる、暴れるなどの行動) 注意・覚醒レベルの変動(ぼんやりしている時と、シャキッとしている時が一日中でみられる)等が認められます。また全身の自律神経障害(失神・原因不明な意識障害 便秘・起立性低血圧・尿失禁)があります。

検査としては、

●問診・視診・触診など身体所見・神経学的所見をしっかりと診ることが大切です。

→パーキンソン症状などの有無をしっかりと確認しないといけません。

●認知機能心理検査であるHDS-R(長谷川式) MMSE(Mini-Mental State Examination)等も行います。

→初期は比較的に、記憶障害は目立たないことが特徴です。

●頭部MRIでは、脳萎縮はアルツハイマー型認知症と比較して軽度です。

●脳血流SPECTにおいて、後頭葉を中心に血流が低下を示すことが多いです。

●MIBG心筋シンチにおいて、心筋への取り込みが低下することが有名です。下の図をご参照ください。

●最近では、ダットスキャンという画像検査で、ドパミン神経系が多く含まれる黒質線条体に相当する部分への集積低下が特徴的と言われております。

次回は、レビー小体型認知症の続きの2回目(最終話)をお話する予定です^^

お話したいことは盛り沢山ですが、簡潔にまとめるように努力します(*^^)v

札幌 西区 琴似

心療内科 精神科 もの忘れ(物忘れ)・認知症

札幌ことにメンタルクリニック

院長 阿部 多樹夫