統合失調症について②

統合失調症について、第2回目のお話をいたします。

陽性症状は、誰が見ても明らかに分かるような症状であり、幻聴(誰もいないのに命令調の声や悪口が聞こえる) 妄想(誰かに見張られている 監視されている 悪口を言われている) 興奮 思考障害(思考が混乱して、全体的に思考のまとまりが悪くなります。具体的には、会話に一貫性がなくなり、話している内容が理解できにくくなることもあります)などが挙げられます。

陰性症状感情の平板化(喜怒哀楽全てにおいて希薄化して、他者との感情の接触が浅くなります)自発性低下(自発的に、何かをしようとする意欲がなくなり、何事も長続きできなくなります) 無為自閉(日常生活で面倒くさがることが多くなり、誰とも接することも嫌がるようになります。例として、身だしなみを気にすることもなくなり、入浴・掃除もしなくなります)

治療:統合失調症の治療の中心となるお薬を「抗精神病薬」といいます。症状の改善や再発の予防に大きな力を発揮します。抗精神病薬は、定型抗精神病薬(旧型)非定型抗精神病薬(新型)に分けられます。定型抗精神病薬も、まだまだ治療に有効なことがありますし、非定型抗精神病薬では効果が乏しい部分に、定型薬が有用なことも沢山あります。

非定型抗精神病薬は陽性症状に加えて陰性症状や認知機能障害に対する効果も期待できます。最近では、まずは、第一選択薬として、非定型抗精神病薬から開始することが一般的であります。

結論から申し上げますと、まずは非定型薬である(リスペリドン クエチアピン ペロスピロン オランザピン アリピプラゾール ブロナンセリン クロザピン パリペリドン アセナピン ブレクスピプラゾール)を使用します。その上で、どうしてもコントロールが難しい場合には、部分的に定型薬で調整を行います。

 

今回は、ここまでとさせて頂きます。

 

P.S.本日は、冷えましたが天気も良く、最後の秋の日であった気がしました^^

午後から休診日だったので、また琴似神社に参拝してきました。皆様が(悩みや不安感 憎しみ 悲しみなど、マイナスな感情から少しでも)心穏やかに平和で幸せな気持ちで過ごせるように、お祈りしてきました^^

明日からいよいよ冬が来そうなので、ご自愛くださいませ(*^-^*)

札幌 西区 琴似 二十四軒

札幌ことにメンタルクリニック

心療内科 精神科

院長 阿部 多樹夫

統合失調症について①

今回は、統合失調症について3回に分けて、お話したいと思います。

統合失調症は、おおよそ人口の1%に出現する疾患です。青年期に発症しやすいのが特徴です。

昭和の時代は治療薬も、まだまだ不十分で、病状の経過も芳しくないことが多々ありましたが、現在は比較的に副作用も少なく、有効なお薬もあります。そのため早期発見・早期治療を行うことが非常に重要となります。

原因:遺伝も関係あると言われてますが、正直まだ、一切解明されてません。現時点ではドーパミン仮説という理論が一番、有力視されてます。

具体的には、遺伝的素因に様々な環境的要因が加わった結果、脳内で各種の神経伝達物質の伝達が異常となることが原因で起こると考えられています。

神経伝達物質の中でも、ドパミンの伝達亢進が最も関与しているという考え(ドパミン過剰仮説)が有力で、この仮説によると、陽性症状では中脳辺縁系経路のドパミン伝達の亢進が、陰性症状では中脳皮質経路のドパミン伝達の低下が関与すると言われています。

近年では、ドパミン以外にもセロトニン、ノルアドレナリン、アセチルコリン、GABAなどの異常も指摘されています。

症状:陽性症状と陰性症状に分けられます。

(1)陽性症状は、幻覚 妄想 させられ体験(自分が他者あるいは外部からの力によって操られていると感じること) 滅裂思考 興奮 混迷などが挙げられます。

(2)陰性症状は、無為 自閉 感情鈍麻 自発性欠如などが挙げられます。

では、第2回目で引き続きお話させていただきます。

 

私事ですが、本日、ようやく自動車のタイヤ交換が済みました(/ω\)

明後日、木曜日から、天気予報では冬模様の予測ですので、明日が最後の秋の日になるかもです^^

札幌市西区 琴似・二十四軒

心療内科・精神科

札幌ことにメンタルクリニック

院長 阿部 多樹夫

 

 

 

 

社交不安障害について② 

社交不安障害を理解するため重要なポイントですが、大勢の人前でスピーチやプレゼンテーションするのが苦手で、多少の緊張をするのは異常ではありません。

しかし、対人不安・対人緊張が強すぎて、まともにスピーチやプレゼンが出来ないならば、これは「日常生活に支障が生じている」ため、治療が必要となり得ます。

更に問題となるのは、1対1の関係にも支障をきたすことです。特に、そんなに親しくないけど、まんざら知らない関係でもない中間的な心理的距離感の人に、ハッキリと自分自身の意見を言えないことです。人から頼まれたら断れなかったり、人と違う意見を言うことができなかったり、異性になかなか声をかけられなかったりします。周囲の人からは、何を頼んでも断らない「良い人」に見えますが、ご本人は内心、疲れ果て限界に達しているのに、それでも断れないのです。最終的には仕事や学校に行けなくなるなど、困った事態に至ります。
そういう方が、最も苦手とするのは、実は同僚や同級生です。今後、「長く付き合っていかないといけない」「嫌われたら困る」と考えて、更に何も言えなってしまいます。

原因:他の精神疾患と同じく、まだはっきり解明されてませんが、生まれ持った気質(性格や性質)と脳内の扁桃体の過敏性に関連があると言われてます。

治療:他の不安障害と同じように、抗うつ作用と抗不安作用を持つ、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)や抗不安薬の薬物療法が有効です。

SSRIの効果が出現するまで、1~2週間かかりますので、1、2回服薬して、効果がないと思い込んで自己中断しない様にしてください。抗不安薬は即効性がありますのでSSRIの効果が現れるまでの間に使用します。抗不安薬は依存性が問題になる場合もありますので、可能な限り最少用量・最少期間だけ用いることが望ましいです。
今まで、他の疾患でも何回かご説明してきましたが、ここでも認知行動療法を用いて、認知(考え方)のゆがみを修正することで問題を解決が可能となります。不安や恐怖に直面しても、上手くやり過ごせるスキルを習得していく精神療法です。

精神療法(認知行動療法を含む等)と薬物療法は治療の両輪とお考えください。そして皆様がメンタル的な、お悩みから解放されるお手伝いができれば、幸いだと思っております(*^^*)

社交不安障害について、最後までご清聴ありがとうございましたm(_ _)m

次回は、統合失調症についてお話したいと思います。

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心療内科 精神科

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院長 阿部 多樹夫

 

 

 

社交不安障害について①

社交不安障害(SAD)について2回に分けて、お話したいと思います。

人に注目されることや人前で話をすることに強い不安を感じて、恥ずかしい思いをすることが怖くなってしまい、人が多くいる場所(電車 バス 繁華街など)に出かけることにも、強い苦痛を伴います。そして日常生活に支障を来たす状況になれば、社交不安障害といいます。対人恐怖や赤面恐怖も含まれます。怖さのあまりパニック発作を起こす場合もあります。失敗や恥ずかしい思いがきっかけになることも多いのですが、思春期の頃は、自分で自分の価値を認められなかったり自分に自信がもてなかったりすることから起きてくる場合も多くあります。

社交不安障害では、自分でも、そんなふうに恐怖を感じるのは変だなとわかってはいますけれど、その気持ちを抑えることが難しくなります。徐々に、恐怖を我慢しながら生活したり、外出や人と会うこと(怖いと感じること)を避けるようになったりします。

 

では、次回2回目に続きます。ご清聴ありがとうございました^^

本日は、本当に冷えました。インフルエンザが流行ってくる季節も近づいてますので、お早めのワクチン接種をお勧めします。

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心療内科 精神科

院長 阿部 多樹夫

 

 

 

院内の模様替えについてご紹介します^^

先日、当クリニックの待合室と診察室にて、プチ模様替えをいたしました^^

観葉植物の位置を換えて、玉ねぎ型の加湿器(上からモクモクと蒸気が出るタイプ)を2個置きました(^^) 真冬は3個にする予定です。

診察室の加湿器には、アナ雪の可愛いフラッシュプレートも付けれましたので、気分もちょこっと、ほっこりしております^^

来院された際にでも、見ていただければ幸いです(*^-^*)

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院長 阿部 多樹夫

 

P.S.当クリニックは、日本認知症学会 認知症専門医・指導医 認知症サポート医として、認知症 もの忘れ(物忘れ)外来も、積極的に行っております。特にBPSD(周辺症状)を専門的に対応しております。

お困りのご本人・ご家族・施設の方からのご相談も、お受けしております。

12月05日(水)の診察時間変更のお知らせ

医療講習会出席のため、平成30年12月5日(水)の診察時間は、通常より30分短く、9:30~12:30までとさせていただきます。最終受付時間は12:00までさせていただきます。

ご迷惑をおかけしますが、ご理解頂きますように、よろしくお願いいたします。

講習会の議題でも出ましたが、札幌市において精神科・心療内科領域問題で、「こころ」のお悩み・ご相談が非常に多いと伺いました。

精神科・心療内科医として、札幌ことにメンタルクリニックは、最大限患者様のお役に立ちたいと思っております。

札幌市を含めて道内の自治体とも密接な連携をいたしておりますが、さらに円滑な連携がとれるように協力関係を構築したい存じます^^

当クリニックは「こころの専門医」「こころのかかりつけ医」として、皆様の面らるヘルスの向上にご貢献したいと存じております(*^^*)

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院長  阿部 多樹夫

 

精神保健指定医研修会

本日、2018年10月31日の9:00~17:30まで精神保健指定医研修会に参加してまいりました。お陰様で無事に終了しました^^

①精神保健指定医と②日本精神神経学会認定 専門医・指導医のお話は、今後、機会があるごとに、分かりやすく詳細にお話ししたいと思います^^

しかし、とりあえず弾丸トラベルになってしまい、正直ちょっと疲れましたが、良い勉強になりました^^ 本日、学んだことを最大限に活かして今後の精神医療の臨床に役立てていきたいと思いました(*^^*)

次回から認知症の続きをお話しさせていただきます^_^;

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院長  阿部 多樹夫

強迫性障害(OCD: Obsessive Compulsive Disorder)について、診断と治療についてお話させていただきます③

それでは第3回目となりましたが、強迫性障害(OCD)について、お話したいと思います。

前回の①②でお話ししたプロセスで診断・治療を進めていきますが、その他に大切なことは、ご家族や職場など周囲の人々からの理解や支援を得られるような環境調整をおこなうことです。

強迫性障害の患者さんの行動は、ご家族や周囲の人には理解しがたいものと映ることがあります。

ついつい、ご家族や周囲の人は良かれと思って「なぜ、そのようなことは気にするの?」「なぜそんなにこだわるの?」「そんなこと気にしないで!」とアドバイスしたくなるでしょう。しかし、そのようなアドバイスは逆効果になる場合があります。なぜなら、家族や周りは自分のつらさをわかってくれないと心を閉ざしてしまうからです。

強迫性障害の患者さんも他人から自分がどう見られているか理解しています。こだわりや強迫行為を止めたいのに、どうしても自分自身では不安から止めることができない苦しみは凄まじいものです。

まず、ご家族や周囲の人に強迫性障害という疾患を理解していただいて、患者さんの苦しみも共有してもらえる環境調整を行うことが大切となります。

その環境調整をおこなうことも、主治医の大切な役割となります。

一人で解決することが難しい疾患なので、患者さんと主治医だけでなく、周囲の方々からの支援の輪を広げて、回復を図っていく必要があります。

強迫性障害(OCD)について最後まで見ていただけて、ありがとうございました(*^^*)

 

札幌 西区 琴似

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院長  阿部多樹夫

強迫性障害について② 

強迫性障害(OCD)について、2回目となります。

それでは、札幌ことにメンタルクリニックにて、行っている強迫性障害についての治療についてお話をさせていただきたいと思います^^

もし強迫性障害の可能性があり、その症状でお悩みならば、まずは、しっかりと診断をつけてもらうことが非常に大切となります。

強迫性障害の原因として、脳内伝達物質(脳内ホルモン)の一つであるセロトニンの働きが低下しているといわれております。そのため、セロトニンを補ってくれる薬物療法が有効となります。一般的にSSRIと言われる薬剤が効果があります。

また、薬物療法と並行して強迫症状を徐々に緩和していくためのに、患者様の考え方 受け止め方 対処方法などを学んでいく心理療法(認知行動療法)が有効と言われていおります^^

実際に薬物療法と心理療法で、症状が劇的に改善された患者様を数多く担当させていただいた経験があります。

①精神療法(認知行動療法):不安刺激についての考え方や受け止め方を変化させることによって不安が強くならないようことを目指します。

不安刺激に対して敏感に反応しなくなるように慣れていただくことも必要になる場合もあります。ただし時間はかかりますが、徐々に強迫的な儀式は軽減してきます。

②薬物療法:SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を中心とした、抗うつ薬を中心とした薬剤の服用が効果が認められます。以前は3環系抗うつ薬が主流でしたが、現在は、SSRIというセロトニンを使用することが一般的となっております。

しっかり治療すると、非常の良くなる疾患です(*^^*)

それでは、次回は第3回目で、更に詳しくお話申したいと存じます^^

 

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札幌ことにメンタルクリニック

心療内科 精神科

院長 阿部 多樹夫

 

連休のストレス発散の方法をご紹介します。

2018年10月の先週末は2連休でした(中には、3連休だった方もいらっしゃったでしょう;ちょこっと羨ましいです)。

少し前になりますが、美唄市にあるピパの湯 ゆーりん館に行ってきました。

のんびりと、過ごせて、大変リラックスできました。宜しければ、行ってみてください。食事もおいしかったです。(*^-^*)

 

仕事やプライベートでの多忙が続くと、誰でもストレスが蓄積してきます。

心療内科医・精神科医の立場からも、意識的に仕事のON OFFを切り替えて、休日は可能な限りストレス解消をして頂きたいと思います^^ 

メンタルヘルスの向上は、まずは、良質な睡眠と気分転換から始まります^^

身体だけでなく、心身ともにホカホカになりたいものです^^

札幌 西区 琴似 二十四軒 

心療内科 精神科 

札幌ことにメンタルクリニック(旧 前田神経クリニック)

院長 阿部 多樹夫