統合失調症について③

統合失調症は薬物療法を行うと一旦、症状が良くなります。

しかし、症状が良くなったからと言って、自分で服薬を中止すると、再発の危険が高まります。また再発を繰り返すと症状が強くなり、治りにくくなります。

お薬は再発を予防する効果もありますので、服薬を続けていただくことが非常に重要となります。

分かりやすい例でいいますと、高血圧症の患者さんが、降圧薬(血圧を下げる薬)を服用すると血圧は一旦、正常まで下がります。しかし、お薬を中断すると、また元の高血圧に戻ってしまいます。それを放置すると、いずれ、心筋梗塞や脳卒中といった深刻な事態になります。まさに同じものと考えてください。

「一病息災」の言葉通り、きちんと服薬を継続すれば(一部の例外を除いて)そうそう悪くなることはありません。普通に仕事や日常生活も送れますので、ご安心ください^^

あとは過度なストレスを避けて、睡眠や休息を十分にとり、規則正しい生活を送っていただければ、更に再発のリスクが少なくなります。

 

明日から12月になります。早いもので今年も残り1か月となりましたね^^;

季節柄、忙しくなると思いますが、良い新年を迎えられるように、皆様のご健康とご多幸をお祈りいたしております(*^^*)

札幌 西区 琴似

心療内科 精神科

札幌ことにメンタルクリニック

院長  阿部 多樹夫

 

 

 

 

 

札幌は住みやすい都市です^^

札幌市は全国で5番目に人口が多く、約195万人都市です。

一つ上の人口4位は名古屋市が約230万人。一つ下の人口6位は福岡の150万人です。

北緯上では世界でも、珍しい大都市です。長い冬もありますが、四季がはっきりしていて、すごく過ごしやすいですね(*^^*)

秋を惜しむ気持ちもありますが、これから来る長い冬をも楽しみたいと思います^^

北国ゆえの理由になりますが春夏秋冬、季節の移ろいがはっきりしている、この素晴らしい大地で生活を出来ることは、非常に幸いなことだと思います^^

 

札幌市西区 琴似 二十四軒 八軒

心療内科 精神科

札幌ことにメンタルクリニック

院長 阿部 多樹夫

統合失調症について②

統合失調症について、第2回目のお話をいたします。

陽性症状は、誰が見ても明らかに分かるような症状であり、幻聴(誰もいないのに命令調の声や悪口が聞こえる) 妄想(誰かに見張られている 監視されている 悪口を言われている) 興奮 思考障害(思考が混乱して、全体的に思考のまとまりが悪くなります。具体的には、会話に一貫性がなくなり、話している内容が理解できにくくなることもあります)などが挙げられます。

陰性症状感情の平板化(喜怒哀楽全てにおいて希薄化して、他者との感情の接触が浅くなります)自発性低下(自発的に、何かをしようとする意欲がなくなり、何事も長続きできなくなります) 無為自閉(日常生活で面倒くさがることが多くなり、誰とも接することも嫌がるようになります。例として、身だしなみを気にすることもなくなり、入浴・掃除もしなくなります)

治療:統合失調症の治療の中心となるお薬を「抗精神病薬」といいます。症状の改善や再発の予防に大きな力を発揮します。抗精神病薬は、定型抗精神病薬(旧型)非定型抗精神病薬(新型)に分けられます。定型抗精神病薬も、まだまだ治療に有効なことがありますし、非定型抗精神病薬では効果が乏しい部分に、定型薬が有用なことも沢山あります。

非定型抗精神病薬は陽性症状に加えて陰性症状や認知機能障害に対する効果も期待できます。最近では、まずは、第一選択薬として、非定型抗精神病薬から開始することが一般的であります。

結論から申し上げますと、まずは非定型薬である(リスペリドン クエチアピン ペロスピロン オランザピン アリピプラゾール ブロナンセリン クロザピン パリペリドン アセナピン ブレクスピプラゾール)を使用します。その上で、どうしてもコントロールが難しい場合には、部分的に定型薬で調整を行います。

 

今回は、ここまでとさせて頂きます。

 

P.S.本日は、冷えましたが天気も良く、最後の秋の日であった気がしました^^

午後から休診日だったので、また琴似神社に参拝してきました。皆様が(悩みや不安感 憎しみ 悲しみなど、マイナスな感情から少しでも)心穏やかに平和で幸せな気持ちで過ごせるように、お祈りしてきました^^

明日からいよいよ冬が来そうなので、ご自愛くださいませ(*^-^*)

札幌 西区 琴似 二十四軒

札幌ことにメンタルクリニック

心療内科 精神科

院長 阿部 多樹夫

統合失調症について①

今回は、統合失調症について3回に分けて、お話したいと思います。

統合失調症は、おおよそ人口の1%に出現する疾患です。青年期に発症しやすいのが特徴です。

昭和の時代は治療薬も、まだまだ不十分で、病状の経過も芳しくないことが多々ありましたが、現在は比較的に副作用も少なく、有効なお薬もあります。そのため早期発見・早期治療を行うことが非常に重要となります。

原因:遺伝も関係あると言われてますが、正直まだ、一切解明されてません。現時点ではドーパミン仮説という理論が一番、有力視されてます。

具体的には、遺伝的素因に様々な環境的要因が加わった結果、脳内で各種の神経伝達物質の伝達が異常となることが原因で起こると考えられています。

神経伝達物質の中でも、ドパミンの伝達亢進が最も関与しているという考え(ドパミン過剰仮説)が有力で、この仮説によると、陽性症状では中脳辺縁系経路のドパミン伝達の亢進が、陰性症状では中脳皮質経路のドパミン伝達の低下が関与すると言われています。

近年では、ドパミン以外にもセロトニン、ノルアドレナリン、アセチルコリン、GABAなどの異常も指摘されています。

症状:陽性症状と陰性症状に分けられます。

(1)陽性症状は、幻覚 妄想 させられ体験(自分が他者あるいは外部からの力によって操られていると感じること) 滅裂思考 興奮 混迷などが挙げられます。

(2)陰性症状は、無為 自閉 感情鈍麻 自発性欠如などが挙げられます。

では、第2回目で引き続きお話させていただきます。

 

私事ですが、本日、ようやく自動車のタイヤ交換が済みました(/ω\)

明後日、木曜日から、天気予報では冬模様の予測ですので、明日が最後の秋の日になるかもです^^

札幌市西区 琴似・二十四軒

心療内科・精神科

札幌ことにメンタルクリニック

院長 阿部 多樹夫

 

 

 

 

社交不安障害について② 

社交不安障害を理解するため重要なポイントですが、大勢の人前でスピーチやプレゼンテーションするのが苦手で、多少の緊張をするのは異常ではありません。

しかし、対人不安・対人緊張が強すぎて、まともにスピーチやプレゼンが出来ないならば、これは「日常生活に支障が生じている」ため、治療が必要となり得ます。

更に問題となるのは、1対1の関係にも支障をきたすことです。特に、そんなに親しくないけど、まんざら知らない関係でもない中間的な心理的距離感の人に、ハッキリと自分自身の意見を言えないことです。人から頼まれたら断れなかったり、人と違う意見を言うことができなかったり、異性になかなか声をかけられなかったりします。周囲の人からは、何を頼んでも断らない「良い人」に見えますが、ご本人は内心、疲れ果て限界に達しているのに、それでも断れないのです。最終的には仕事や学校に行けなくなるなど、困った事態に至ります。
そういう方が、最も苦手とするのは、実は同僚や同級生です。今後、「長く付き合っていかないといけない」「嫌われたら困る」と考えて、更に何も言えなってしまいます。

原因:他の精神疾患と同じく、まだはっきり解明されてませんが、生まれ持った気質(性格や性質)と脳内の扁桃体の過敏性に関連があると言われてます。

治療:他の不安障害と同じように、抗うつ作用と抗不安作用を持つ、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)や抗不安薬の薬物療法が有効です。

SSRIの効果が出現するまで、1~2週間かかりますので、1、2回服薬して、効果がないと思い込んで自己中断しない様にしてください。抗不安薬は即効性がありますのでSSRIの効果が現れるまでの間に使用します。抗不安薬は依存性が問題になる場合もありますので、可能な限り最少用量・最少期間だけ用いることが望ましいです。
今まで、他の疾患でも何回かご説明してきましたが、ここでも認知行動療法を用いて、認知(考え方)のゆがみを修正することで問題を解決が可能となります。不安や恐怖に直面しても、上手くやり過ごせるスキルを習得していく精神療法です。

精神療法(認知行動療法を含む等)と薬物療法は治療の両輪とお考えください。そして皆様がメンタル的な、お悩みから解放されるお手伝いができれば、幸いだと思っております(*^^*)

社交不安障害について、最後までご清聴ありがとうございましたm(_ _)m

次回は、統合失調症についてお話したいと思います。

札幌 西区 琴似

心療内科 精神科

札幌ことにメンタルクリニック

院長 阿部 多樹夫

 

 

 

冬がいよいよ到来しました^^

本日、出勤時に我が家の玄関先で、今年最初の雪を見ました。

今年は、観測史上でも稀にみる降雪時期が遅かったようです。

しかし、今年も必ず冬将軍が本格的に、遠征に来られるでしょう(/ω\)

 

当クリニックは、「こころの専門医」「こころのかかりつけ医」として、札幌市西区の心療内科・精神科領域の疾患を全般的に、診させて頂いております。

 

また、認知症サポート医 認知症専門医・指導医として、物忘れ(もの忘れ)外来も積極的に、おこなっております。

認知症のBPSD(周辺症状:幻覚・被害妄想・怒りっぽさ・徘徊等)で、お困りのご本人・ご家族の方からのご相談もお受けいたしております。

 

札幌市 西区 琴似 二十四軒 

心療内科 精神科

札幌ことにメンタルクリニック

院長 阿部 多樹夫

 

社交不安障害について①

社交不安障害(SAD)について2回に分けて、お話したいと思います。

人に注目されることや人前で話をすることに強い不安を感じて、恥ずかしい思いをすることが怖くなってしまい、人が多くいる場所(電車 バス 繁華街など)に出かけることにも、強い苦痛を伴います。そして日常生活に支障を来たす状況になれば、社交不安障害といいます。対人恐怖や赤面恐怖も含まれます。怖さのあまりパニック発作を起こす場合もあります。失敗や恥ずかしい思いがきっかけになることも多いのですが、思春期の頃は、自分で自分の価値を認められなかったり自分に自信がもてなかったりすることから起きてくる場合も多くあります。

社交不安障害では、自分でも、そんなふうに恐怖を感じるのは変だなとわかってはいますけれど、その気持ちを抑えることが難しくなります。徐々に、恐怖を我慢しながら生活したり、外出や人と会うこと(怖いと感じること)を避けるようになったりします。

 

では、次回2回目に続きます。ご清聴ありがとうございました^^

本日は、本当に冷えました。インフルエンザが流行ってくる季節も近づいてますので、お早めのワクチン接種をお勧めします。

札幌 西区 琴似  二十四軒

心療内科 精神科

院長 阿部 多樹夫

 

 

 

温泉のご紹介2 ふとみ銘泉 万葉の湯♨

本日、日帰りでふとみ銘泉に行ってきました。今までに10回以上通ってますが、赤ワイン色で身体の芯まで温まる飽きのこないの泉質と、土日や祝日でも札幌市内のスーパー銭湯と違って、ごった返さず、緩やかな時間が過ごせるので、とても気に入ってます^^;

お食事もリーズナブルですが美味しいです。本日は広東麺を頂きましたが、お酢や胡椒に相性が良く、とても美味しかったです^^ やはり温泉は良いものですね(*´▽`*)心身(こころ・身体)共に癒されます^^

明日から11月も第4週目になります。冬が近づいてますので、手洗い うがい マスクなど、風邪など引かれませんにお気を付けください(*^^*)

札幌 西区 琴似 二十四軒

心療内科 精神科

札幌ことにメンタルクリニック

院長 阿部 多樹夫

 

 

全般性不安障害について②

第2回目になりますが、全般性不安障害について、治療を中心にお話したいと思います(*^^*)

前回でもお話しいたしました様に、全般性不安障害は、漠然とした不安が持続することが特徴です。

治療は、1.非薬物療法認知行動療法 運動療法など

    2.薬物療法

1.認知行動療法: 認知(考え方)は人それぞれで、物事の受け止め方や考え方は違います。すごく分かりやすく言うと、自分にとって苦痛や不都合となる考えを、自分にとって幸福や好都合となる考えへ変えていく作業のことを認知行動療法だと理解してください。 最近、この治療法が行われるメンタル系の疾患が飛躍的に増加しています。  認知行動療法と薬物療法とを併用した治療法により、更に高い治療効果が望めます。ただし、認知行動療法を行うには当たっては、信頼できて、常に寄り添ってくれる公認心理師(臨床心理士)の存在が非常に重要となります。

2.薬物療法:認知行動療法も大切ですが、即効性がないのが弱点です。何故ならば、自分の考えを1日で変えることが可能ならば誰も苦労しません^^;自身を変革していく認知行動療法は効果出現まで膨大な時間がかかることも理解してください。

そこで即効性があるのが薬物療法です。抗不安薬や抗うつ剤(SSRI SNRI)を服薬することによって比較的、短時間で不安が和らぎます(誰しも苦痛が長引くのは辛いですから^^;)。副作用がないように十分な注意を払いながら必要最少量のお薬を処方して一旦、不安の軽減を目指します。その上で認知行動療法を並行しておこなうことが患者さんにとって一番苦痛が少ない治療法になると考えてます。当然、いずれはお薬に頼らなくても不安がコントロールできるように導いて差し上げることも、主治医の非常に重要な役割だと思います(*^^*)

札幌ことにメンタルクリニックは、2019年6月3日から常勤の公認心理師(臨床心理士)勤務いたしておりますので、今後は、安心してを相談をお受けすることが可能となります^^

それでは、全般性不安障害について、次回にお話させていただきました^^

明日は、温泉(日帰りですが。。(/ω\))に行ってゆっくりしてきたいと思います^^ 皆様もストレス発散できますように良い週末をお過ごしくださいませ(*^^*)

札幌 西区 琴似 二十四軒

心療内科 精神科

札幌ことにメンタルクリニック

院長 阿部 多樹夫

全般性不安障害について①

今回は、全般性不安障害(GAD)について2回に分けて、お話したいと思います^^

全般性不安障害(GAD)とは、分かりやすく言うと、漠然とした不安感や心配が過剰に続いてしまう疾患です。

6カ月以上、症状が持続する場合に診断されます。とりこし苦労が増え、不安が雪だるま式に増えるので、ご本人も疲弊し倦怠感や疲労感が強くなっていきます。また、ソワソワやイライラ感が募り、落ち着きもなくなってきます。自分自身でコントロールできないほどの過剰な不安のほか、警戒心 疲れやすさ 不眠症などが出現してきます。

心の不調のサインは体の不調としてもでてきます。頭痛 肩こり 体のしびれ めまい ふらつき 動悸 息切れ 喉が詰まった感覚 吐気 腹痛 下痢 便秘などがみられます。

患者さん自身では心理・精神的な問題だと気づかずに、内科や外科等身体科を転々と受診されさまざまな検査を受けられて、何も問題がないと言われた方も沢山おられます^^

男女問わずどの年齢でも発症する可能性があります。多くの場合はストレスによって引き起こされると考えられています。

全般性不安障害では、特に大きな理由や根拠はないのですが、身の回りの全てのことが不安材料になってしまいます。他の不安障害であるパニック障害や社交不安障害などは特定が難しい状況も存在します。

全般性不安障害の方は、日常生活で直面する全てのことが漠然とした強い不安材料になることが特徴的です。速やかな治療で改善する可能性は十分にありますんで、まずは、お近くのメンタルクリニックや心療内科などで、ご相談されても、良いかと思います^^

では、次回は、治療や対処法についてお話したいと思います。

きちんと受診・治療をされたら、症状が軽減する可能性が高いので、ご安心してください^^/

札幌市西区 琴似・二十四軒地区

心療内科・精神科

札幌ことにメンタルクリニック

院長  阿部 多樹夫