札幌ことにメンタルクリニックの公認心理師・臨床心理士・副事務長の春名です。
携わったお仕事シリーズになります。第5弾も心理療法についてです。
前回はエクスポージャーと曝露反応妨害法について紹介しました。本日はアサーティブネス・トレーニングについてです。
アサーティブネス・トレーニングとはコミュニケーションの改善方法の一つで、認知行動療法の一つと考えられています(賛否両論あるかもしれませんが・・・)。
基本的には自分も相手も気持ちの良いコミュニケーションを、ということがスローガンと言えます。内容の詳細についてはここでは書ききれませんので、一部のご紹介になります。
私がこの心理療法に出会ったのは大学院生の頃でした。アサーティブネス・コミュニケーションに関する講義を受ける機会があり、その時に初めてこの心理療法について知りました。3日間の集中的な講義でしたが、とても楽しく、興味深く、勉強になったことを覚えています。それをきっかけに、就職後、書籍などを通して学び、アサーティブネス・トレーニングを心理療法に取り入れたり、デイケアのプログラムで紹介するなどしておりました。
私自身がこの方法に興味が持てたのは、先ほども述べた学生時代の講義の時でした。私は比較的よくしゃべるタイプだと思っていますが、案外大事なことになると言えないところもありました。遠慮であったり、相手が嫌な思いをするだろうと頭をよぎったり。アサーティブネスではこのようなタイプを非主張的なタイプと呼ばれます。なので、私の場合、よくしゃべる人だけどアサーティブなコミュニケーションができているとは言えない、非主張的なコミュニケーションをしている人ということになります。
私が興味を持ったのは、非主張的なタイプは自分の意見が通らないと考えて言えないのではないという点でした。断ると迷惑をかけると思って非主張的になるのは、断ることがそのまま通ることを前提に考えてしまっているというわけです。断ることを断られることだって確かにあるかもしれません。これにはなるほどな、と思いました。そして、迷惑かどうかも相手に決める権利があるのだと。これまたなるほどな、と思いました。伝わるかどうかではなく、伝えてみることが大切であること、上手なコミュニケーションとは要求が通ることとは別であることなど様々なことを学ぶ機会になりました。
今でも、肝心なことを言わないこともありますが、アサーティブネスの知識をいつも思い浮かべながら、日々過ごしています。
札幌 西区 琴似 二十四軒
心療内科 精神科
札幌ことにメンタルクリニック