秋が訪れているようです

記録的な暑さと言われていた日々もようやく終わりとなったようです。ここ数日は長袖でも肌寒さを感じる時間ができるようになり、秋が訪れているようです。

寒さの訪れと共に、時折耳にするお悩みに冷え症というものがあります。冷え症だけの相談を受けた経験はありませんが、患者さんの中には特にこれからの時期に冷え症に悩むというお話を伺うことがあります。

心理療法でも間接的にではありますが、この冷え症の改善が期待できる方法があります。それはリラクセーションと呼ばれる方法で、主に筋弛緩法と言われる緊張を緩める方法と呼吸法と言われる腹式呼吸による呼吸調整を組み合わせた方法です。

リラクセーションは心身相関という概念をもとにした方法です。緊張とリラックスした状態は拮抗する(同時に生じない)ものという前提で、心と身体が互いに影響し合うという原理を利用し、身体の方からリラックスした状態を作り、心の緊張と拮抗させて心の安定をはかります。

このリラクセーションが上手にできるようになると、手足の指先の末梢血管の拡張から皮膚温の上昇が得られることがあります。なので、寝る前にリラクセーションをすると、手先や足先がポカポカと温かい状態で床につけるようになることがあります。

書籍等でも紹介されている方法が多数ありますので、ご興味のある方は一度お手に取ってみていただくと、これからの季節に少し役に立つかもしれません。

ついつい先延ばしてしまうときの工夫

暑さと雨が続き、北海道なのにジメジメとした日々が続いております。「北海道の夏はからっとしている」「暑くても過ごしやすい」と言われておりましたが、どうにもそのようには感じられません。暑さに悩まされる日々はまだしばらく続くようです。

当クリニックも11日から15日まで夏期の休診となりますが、夏休みの真っ只中ですね。夏休みも残り半分程度となり、宿題に追われている、もしくはお盆明けから追われるという人も少なくないかもしれません。

確か、昨年の同時期に宿題をギリギリに終わらせるのは少数派のようであるというお話を、ある学習塾が取ったアンケートをもとに記事にしたと思います。そのため、もうすでに終わらせている人も多いのかもしれません。

しかしながら、やろうと思ってもついつい先延ばしてしまうという人も少なくないでしょう(私自身も含めて)。心理学においてもモチベーションの研究は古くからされおり、これまでにもいくつか記事にさせていただきました。

例えば、ご褒美と罰というのはモチベーションと関係しますが、それぞれに特徴があり、ご褒美はその時の行動を動かす力が弱いですが、身につくと行動は持続すると言われています。反面、罰はその時の行動を動かす力が強いですが、持続しにくいと言われています。

加えて、ご褒美の内容によっても違います。お金や物といったご褒美の場合、行動は一過性で終わってしまいます。称賛や自分自身をほめるといったご褒美の方が行動は継続しやすいのです。

このような知識が学生時代にあれば、あの頃の自分も何か変わっていたかもしれないと、心理学を始めてから度々考えておりました。特にこの季節はよく考えてしまいます。面倒な物事に取り組む自分自身を労いながら、問題(先延ばしたくなる面倒なこと)を解決できるよう私自身も日々工夫をしているところです。

厳しい暑さが続いています。

公認心理師、臨床心理士、事務長の春名です。

連日厳しい暑さが続いております。北海道だけではなく、日本全国で記録的な暑さのようですね。今日も朝から日差しが強く、少しの距離を歩くだけでも汗が出てきました。しばらくこの暑さは続くようですね。

先日たまたま見た天気予報での解説では、この暑さの原因の一つには台風もあるそうです。日本の南側にあった台風5号が上空に空気を巻き上げ、巻き上がった空気が日本列島あたりで下がってくることが暑さの一因とのことでした。台風まで関係しているとは思いませんでした。

暑さといえば、熱中症です。油断ならない日々が続いていますが、このような身体的な不調をきたすリスクが高まる時期になると、いつも思い出す言葉があります。以前にも書いた内容ではありますが、「なんでもこころの問題のせいにしない」という言葉です。

これは、学生時代の先生が言って言葉ですが、カウンセラーという仕事をしていると、人の不調を耳にすると、つい「誰かとうまくいってないのでは?」「なにか嫌なことがあったのでは?」と考えてしまいます。学生の頃に心理学を学んでいたころも、そのような態度で相談を受けるものだと想像しておりました。

そんな中で、先程の言葉を聞き、とても感銘を受けたことを今でも覚えています。確かに、人の不調の理由は身体の変調、身体由来のものもあるものです。そのことを必ず頭の片隅においておかないと、こころのケアではなく身体のケアが必要な人に適切なケアが遅れてしまいます。もちろん、身体的な疾患は専門ではありませんので、なにかできるわけではないのですが、気づいて適切な医療機関につなげることができれば、患者さんにとって最も有益であると思います。

まずは身体の問題がないということを確認してから、こころの問題に焦点を当てるように、日々気をつけている今日このごろです。

公認心理師の合格発表がありました

公認心理師、臨床心理士、事務長の春名です。

6月も最後の週となり、気が付けば今年も半分が終わろうとしております。ここ数日は蒸し暑い日が続きいておりますが、まだしばらくは続くようです。北海道の夏はカラッとしていて、暑くても過ごしやすいということが定番でしたが、そうとも言えない蒸し暑さが例年続いていますね。

さて、以前のブログで公認心理師の試験が実施されたことを話題にさせていただきました(R5年5月15日ブログ)。その合格発表が6月9日に行われたそうです。厚生労働省の発表によりますと、2,020人が受験し、1,491人が合格。合格率は73.8%であったそうです。およそ1,500人の新たな公認心理師が誕生したことになります。

国家資格として誕生した公認心理師も資格化して6年が経過したことになります。公表されている資料では令和5年3月末時点で、全国に69,875人の公認心理師がおり、北海道には2,383人がいるそうです。歴史としてはまだまだ浅い国家資格ではありますが、着実に人数は増加していっていると言ってようでしょう。今後も益々の発展が期待されます。

公認心理師の実態や諸活動を調査した令和2年の報告では、公認心理師が最も関わりを持っている領域は教育領域だそうです。スクールカウンセリングが中心であり、そのほか大学の教員や大学・専門学校の相談室といった現場に公認心理師はいるようです。医療領域の割合も大きく、医療を専門として活動している公認心理師も数多くいるのが現状です。

その他は、福祉領域、司法領域、産業領域といった幅広い分野に公認心理師はいるようです。数年後には、皆さんの身近にも公認心理師という人がいる、珍しいことではない、そんな未来がくるかもしれません。

今後も自身の知識・スキルをブラッシュアップし、公認心理師として一人でも多くの人のお役に立てるよう精進したいと思います。

いつもと疲れ方が違うと感じたときは

公認心理師、臨床心理士、事務長の春名です。

本日は、突然冬が舞い戻ったような寒さですが、早いもので新年度も始まり半月が過ぎました。札幌でも桜が咲き始めるなど、春の訪れが少しずつ身近に感じられるようになってきましたね。新しい生活にも少しずつ慣れ始め、段々と疲れも出始める頃合いかもしれません。

最近では寒暖による疲労がニュースで取り上げられるなど、これまであまり耳馴染みのない疲れの話題もありました。本日のような天候では、まだまだ油断できませんね。

今回、取り上げる疲れは「易疲労」と呼ばれるものです。これは、「疲れやすい」と感じることを指しています。日常生活の活動に応じて、私達は疲労を感じます。これはとても自然なことです。そして時には疲れが取れにくいと感じる朝もあれば、「年齢のせいかな・・・」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。筋肉の疲労であれば、さらなる筋力アップを思い描き喜びを感じる方もいらっしゃるかもしれません。どの疲労も日常に十分起こり得る疲労であり、特段注意が必要というわけではありません。

しかし、「易疲労」は注意が必要な疲れです。これは疲れやすい状態であることを指しており、ストレス反応の一種で主に抑うつ気分と関係しています。「いつもならこのぐらいのことで、こんなに疲れることはないのに・・・」というように、活動と疲労のバランスが釣り合わないように感じられます。このような状態が続いたあとに、抑うつ気分や不安が強くるなど様々なストレス反応が生じることがあります。「疲れやすい」はストレス反応の初期症状と言われているからです。

疲れているという感覚なので、いつも通りなのか、いつもより疲れやすいのか、自分自身でも判断が難しい場合はあるでしょう。場合によっては、やるべきことに追われて今の疲れに気づいていなかったり、緊張のあまり疲れに目が向いていないこともあるでしょう。逆にいつも疲れがとれず、ずっと疲れているという方もいらっしゃるかもしれません。自分の疲れ度合いを自分で把握することから始めてみましょう。10段階でもA・B・Cでもどのような方法でも良いので、自分自身でモニターしてみましょう。

自身の疲れを把握し、自身の疲れを上手に取る術も増やしておきましょう。肉体的な疲労には休息が最も効果的であると思われます。睡眠を取るかどうかは別に、身体を休めることが推奨です。また、適度な運動や活動も疲労の回復に推奨です。その他にも自分なりの疲労対策を見つけておきましょう。

就労に関するサービス 就労継続支援とは?

公認心理師、臨床心理士、事務長の春名です。

早いもので、年が明けたと思いきや、もう1ヶ月が終わろうとしております。昨年のような大雪には見舞われておりませんが、今年は寒さが厳しい冬のようです。先週の悪天候から気温が低い日が続き、寒さも少し和らぐようですが、明日からはまた悪天候に注意が必要なようです。

さて、今回はタイトルにもありますように、就労に関するサービスについてです。私自身、まだまだ、このようなサービスに関しては勉強中でありますが、現在学んでいることも含め、書いてみようと思います。

今回は就労継続支援について取り上げようと思います。就労継続支援という名称には効き馴染みがないかもしれませんが、単に就労支援と呼ばれたり、A型、B型というように呼ばれたり、そのような呼び方を耳にされたことのほうが多いかもしれません。支援を受けながら働きたい、突然多くの時間働くことに自信がない、ゆっくりとしたペースで働きたいといった希望をお持ちの方に推奨されるサービスとなります。

まずは、A型とB型の違いを説明します。基本的な違いとして、A型には雇用契約がありますが、B型では雇用契約はありません。そのため、A型では最低賃金が適用されることになり、月額で6~8万円程度の収入が得られます。B型では最低賃金が発生しないため、1ヶ月では数千円~1,2万円程度というところが多いようです。また、A型は年齢制限があり65歳までとなっています。B型は年齢制限がありません。

そして、働き方も大きく変わってきます。A型では週5日、1日4~5時間程度の勤務が基本的で、毎日決まった時間に通所して働くことになります。B型は1日1時間、週1回からの勤務でも可能であり、無理のないペースで働くことが可能です。

業務の内容は、事業所によって様々です。パソコン関係やハンドメイド、箱作りなどの単純な作業もあります。事業所によっては、パン屋や喫茶店を運営している場合もあるようです。札幌市内にも多数の事業所があります。

利用するには、直接事業所と連絡をとり見学や相談を行ったあと、お住まいの区の障害福祉の窓口やハローワークで利用を開始する相談を行うことで利用可能となります。

就労を考えているけれど、一般就労にはまだ自信が持てないといった場合には、このような支援を利用されることも有益であると思います。