Q&A 第26回 祖母が先週から急に、夕方から夜にかけて、混乱状態となりました。認知症の始まりでしょうか?

                  第26回

Q:祖母が肺炎のため、2週間入院して、治って自宅に退院しましたが、その日の夕方から急に、混乱状態になりました。認知症の始まりでしょうか?

A:退院するまでは、特に認知機能に問題がなかったケースですね。この場合、結論から申し上げると、せん妄の可能性が高いと思います。

せん妄とは、意識障害の一種です。意識レベル(意識混濁の度合)が低下しているのではなく、意識が狭窄・変容している状態をいいます。

わかりやすく言うと、意識のvolume(量)の異常ではなくquality(質)の異常とお考え下さい。

せん妄は、認知症(もの忘れ)と間違われることも多いのですが、鑑別ポイントとしては

①発症:せん妄は急激に発症。

認知症は緩徐(数年単位)に発症します。

②経過:せん妄は変動性が大きいことが特徴です。一日の中でも夕方から夜にかけて出現しやすい傾向(夜間せん妄と呼ばれる所以)があります。また治療をすれば改善します(可逆性があります)。

認知症は、日内変動がほとんどありません。また、可逆性も乏しいです。

③持続時間:せん妄は、数時間から数日で改善します。

認知症の場合は、年単位で徐々に進行して、原則的に改善しません。

④原因:せん妄は、全てのストレスが原因となります(外傷 手術(術後せん妄も有名です) 環境の変化 脱水 薬物(ステロイド 抗パーキンソン薬 降圧薬 向精神薬 抗生剤 抗ヒスタミン薬 胃薬 不整脈の薬剤 抗がん剤etc)。脳の機能的(元に戻り得る)疾患です。

認知症は脳の器質的(元に戻らない)疾患です。更に申し上げれば、変性疾患(徐々に進行します)です。

⑤治療:せん妄は一旦、スイッチが入ると、すぐに止めるのは困難です。そのような場合、当日は向精神薬の投薬を行い、まずは寝て頂くことが大切となります。翌日からは予防が大切になります。つまり、せん妄が起きそうな時間帯の前に、せん妄を抑止する少量の向精神薬を、予防投薬することで防止できます。

臨床において,せん妄の診断と治療は、このような基準で行っております^^;

環境の変化も大きな原因となり得ます。せん妄と認知症は、根本的に違いますが、せん妄が生じる時点で、脳の予備能力が、著しく低下しているという指摘もあります。

せん妄や認知症でお困りの方は、受診や相談をされるのも、一つの方法かと思います。

札幌 西区 琴似 二十四軒

心療内科  精神科   認知症・もの忘れ(物忘れ)外来

院長 阿部 多樹夫

 

 

 

 

 

 

診療時間が変わります。

平成30年9月1日をもちまして、私こと 阿部 多樹夫が、クリニックの院長・最高経営責任者として就任することになりました。

ご不明な点がありましたら、011-615-5562までお電話ください。今まで通り、柔軟に、ご予約対応させて頂きます可能な限り、当日の診察もお受けいたします。

札幌市西区で「こころの専門医」「こころのかかりつけ医」としてのご要望にお応えするため「札幌ことにメンタルクリニック」として最大限、皆様のこころのケアのをさせて頂きたいと思っております。

日本認知症学会専門医・指導医、認知症サポーター医として認知症・物忘れ(もの忘れ)外来は、積極的にお受けしております。

認知症 物忘れ(もの忘れ)で、お悩みのご本人 ご家族 施設の方からのご相談がありましたら、お気軽にご連絡ください。

追伸(令和元年4月末日)

前田英雄先生が、病気療養のため長期の治療を余儀なくされ、実質的には、ご引退される運びと相成りました。

そのため、新体制を確立せざるを得なくなりました。つきましては、名称変更・移転する予定です。

令和元年6月3日からは「札幌ことにメンタルクリニック」となります。

〒063-0811 札幌市西区琴似1条4丁目4−20 笹川ビル3Fとなります。

何卒、ご理解を宜しくお願いいたします。

(旧前田神経クリニック)

札幌市西区 琴似 二十四軒 八軒

心療内科 精神科 認知症

 

院長 阿部 多樹夫