双極性感情障害のうつ症状を改善するために効果ある薬剤について

Q:双極性感情障害のうつ症状を改善するために効果ある薬剤はありますか?

A:結論から言えば、躁転しにくく、双極性感情障害のうつ症状に効果のある薬剤があります^^

双極性感情障害(躁うつ病)は、躁病相うつ病相を繰り返す精神疾患です。

おさらいになりますが、わかりやすく申し上げますと【躁病相】は、気分が高揚して何でもできる万能感が出現することが多くあります。場合によっては莫大な浪費や喧嘩して周囲との人間関係にヒビが入ったりすることもあります。気分の高揚 行為心拍 多動多弁 注意の転導性が特徴的な症状として認められます。重症になると誇大妄想(無敵妄想)など代表的な症状が見られます。

一方【うつ病相】は、抑うつ気分 意欲低下 精神行動制止 不眠は出現します。重度になれば、微少貧困妄想(自分のせいで家族や知人に迷惑を掛け、結果的に貧困にさせてしまい申し訳ない)という妄想が生じます。希死念慮・自殺企図という症状が出現することもあります。

うつ病の患者様に関して以前は「こころの風邪」と言われた時期もありました。確かに抗うつ薬を中心とした薬物療法と支持的精神療法及び十分な休養でほとんど改善します^^

しかし、双極性感情障害の患者様は、なかなか治療が難しく、薬物療法も慎重に調整しなくてはならない場合があります。

気分に大きな波があり感情のコントロールができない方は

①気分安定薬(炭酸リチウム バルプロ酸ナトリウム カルバマゼピン ラモトリギン)を主剤として服薬をしていただく必要があります。

非常に躁状態が強い方鎮静が必要となります。鎮静作用の強いゾテピン レボメプロマジン スルトプリドなどの服薬も必要になることがあります。

それでは、そろそろ本日の本題に入らせていただきます^^

「A:結論から言えば、躁転しにくく、双極性感情障害のうつ症状に効果のある薬剤があります」を詳しく説明します。

(1)ルラシドン20~60㎎/日 

(2)クエチアピン(徐放剤)50~300㎎/日 

が有効だと言われております。

ただし(2)のクエチアピンは、持病で糖尿病をお持ちの方には禁忌ですので、処方することは出来ません。

以前は、双極性感情障害のうつ病相の方には、少量の抗うつ薬を使用していた時期もありました(現在でも行われております)。しかし数日、まれには半日で躁転(うつ病相から躁病相に変化)することが、しばしばありました。主治医は当然、驚くのですが、ご家族はもっとビックリされます^^;; もちろん、当時の指導医やご家族様から厳しいお叱りをお受けしたが、20年前は現実として、気分安定剤を主剤にしつつうつ症状と躁症状を、抗うつ薬と鎮静系の抗精神病薬で絶妙なバランスで釣り合わせることが、精神科医としての必要な技術の一つであった時期もありました。小生が研修医だった20年近く前の話になりますが、そんな時代でした^^

もちろん、双極性感情障害(躁うつ病)の治療には、各大学や学会や派閥により、百花繚乱な状況でした^^;;

P.S.小生が当時、双極性感情障害の治療について一番、ショックを受けたのは、当時すごく著名な先生からお聞きした「躁病相の人間より、うつ病相の方がずっとましだ」「躁病の患者は基本、薬を多めにして、うつ病相のままにしておきなさい」というお言葉でした(>_<)

すごく著名な先生でしたので、お話しできる機会をすごく楽しみにしておりました。著書も多く拝読して前日は徹夜で質問帳を作成したものです^^ しかしその一言ですっかり冷めてしまいました(/ω\)

あらかじめお断りしておきますが、当時はそれが一般的な時代でもありました。その著名な先生も、ご自身の臨床で苦悩の果てに至った境地を、小生のような若輩者に教えて下さったこと自体には非常に感謝しております。。。20年前(2000年)と現在の基準を比較して批判するのは、そもそも間違っていると思います。

しかしながら、もしあの時、その著名な先生が「自分の時代では、できなかったが、いずれそうでない時代が来ることに期待したい。諸君。頼むぞ!」と言ってくれたら、小生を含めて多くの同僚や先輩後輩医師の気持ちがどれだけ救われたのかな?とふと思う今日この頃であります(*^^*) しかしそれも含めて全てが人生勉強であり臨床研修だったのだと理解しております^^

現在は良い薬剤が増えて、非常に助かっております^^

当クリニックは、最新の医療知識を常にアップデートして、日々の臨床にお役立ちしていきたいと考えております(*^-^*)

ここからは追伸のさらに追伸となりますので、読み飛ばしていただいても構いませんが

【札幌ことにメンタルクリニック】は、来院される患者様も多くなってきまして、そろそろ精神科・心療内科医の増員を考えてます。

以前にもお話した通り、患者様に優しく接することができ、柔軟な対応することが出来る精神科・心療内科医師を切実に募集しております。

常勤・非常勤を問わず、精神科・心療内科臨床に熱意のある先生を大歓迎いたします^^ 更により良い医療を患者様にお届けできるように、どうかお力をお貸しくださいm(_ _)m 

ご興味をお持ちの方は、お気軽に、011-615-5562に「事務長の春名」までご連絡ください^^ 心からお待ち申し上げおります。

札幌 西区 琴似

札幌 精神科  札幌 心療内科

札幌ことにメンタルクリニック

院長 阿部 多樹夫