認知症について②

それでは認知症について、第2回目のお話をさせていただきます。

認知症になる原因ですが、実は沢山あります。おおよそ80~90くらい原因があると言われてます。クロイツフェルト・ヤコブ病やミトコンドリア脳筋症なども原因の一つとなりますが非常に稀な疾患であり、日常臨床で診察する認知症はおおよそ下記の比率になると思います。(偉い学者先生方々のデータにより結構、幅はありますが^^;)

つまり、認知症を正しく理解するには

<1>アルツハイマー型認知症

<2>脳血管性認知症

<3>レビー小体型認知症

<4>前頭側頭型認知症(前頭側頭葉変性症:FTLD)

の4つの疾患を理解することが、とても重要になります。

では、認知症の2/3を占めるアルツハイマー型認知症について、お話します。

<1>アルツハイマー型認知症

1.まず記憶力の低下から始まります。「昔のことはよく覚えているが最近の記憶があいまいになった」「同じことを何度も言ったり聞いたりする」 「財布などを置き忘れたり しまい忘れたりする」「人や物の名前が思い出せない」「今までできていた仕事や料理ができなくなった」「何となく人柄が変わった」などの変化が現れます。

2.症状は、記憶力の低下や遂行機能低下(段取り良く、物事をスムーズに行うことが難しくなった)を主とした【中核症状】と、物盗られ妄想・被害妄想 怒りっぽくなったなど【BPSD(行動・心理症状)】の2つに大きく分けられます。

3.そして、症状は徐々に進行してきます。

下の図をご覧ください。アルツハイマー型認知症を発症すると時間経過とともに徐々に症状は進行してきます。誠に申し上げるのが辛いのですが、現実は、このような経過をたどります。

では、「何故、アルツハイマー型認知症になるの?」と聞かれますと、下の頭部MRIをご覧ください。左側がcontrolといわれる正常の方の頭部MRIです。そして、右側がAD(以下、アルツハイマー型認知症)のMRI画像です。

いかがですか?ADの患者さんは、正常の方に比べて、黄色丸の部分の海馬(記憶をつかさどる場所)が明らかに、萎縮しているのがわかります。また、脳全体が正常の方に比べて萎縮していることも、お判りでしょう。

では、第3回目に続きます^^ 3回目も皆様に、わかりやすく、ご理解いただけるように準備いたします^_^;

最近、急に寒くなってきましたので、風邪など引かれませんように、ご自愛くださいませ^^

 

札幌市西区  琴似・二十四軒地区 心療内科・精神科

院長  阿部 多樹夫

 

認知症について①

一応ですが、日本認知症学会専門医・指導医、認知症サポート医をさせていただいておりますので使命感から認知症について、少し詳しく説明したいと思います(^^;

今回は認知症について第5回に分けてお話ししたいと思います。

まず、誤解がないようにあらかじめ申し上げておきますが、認知症は年齢を重ねたら、ほぼ100%なる病気です。85歳で30% 90歳で60% 95歳で80% 100歳で99%の方が、認知症になります。長生きはとても喜ばしいことですが、同時に認知症になるリスクも加齢とともに上昇していくことをご理解ください。

患者さんの人数で言いますと、2012年時点で日本での認知症患者数は462万人。認知症予備軍といわれる軽度認知障害(MCI)の方が400万人がいることがわかりました。分かりやすく言いうと、全人口の6.7%くらいが何らかの認知機能障害があるという計算になります。

あと7年後の2025年には、認知症患者数は730万人 MCI数は584万人に達すると予測されてます。人口減少も伴いますので、この時点では、全人口の11%くらいが何らかの認知機能障害をもっている予想になります。75歳以上が全人口の18%以上になる2025年問題とも絡んできますね^^;

それでは、「認知症ってどんな状態なの?」という質問に、わかりやすくお答えしますと「いったん発育した脳が損傷されて、その結果として、それまでに獲得された知的能力が低下してしまった状態。」となります。

下の図の通り、認知症を発症すると、ゆっくりですが、確実に知的能力が低下していきます。

「年を取れば、多少の物忘れくらいするよ」というご意見もあるでしょう。ごもっともなご意見です^^ そのとおりです。

しかし、通常のもの忘れ(生理的・加齢性変化)と病的なもの忘れ(認知症)とは、全く別物なのです。

下の図をご覧ください。わかりやすく解説すると、認知症では、自覚(病識)がなく、昔のことはよく覚えてますが、近時記憶低下(数分から数日前の記憶がなくなります)。見当識障害(時間→場所→人物の順でわからなくなります)。そして、緩徐ですが進行してきます。そして、進行を遅らせるには治療が必要となります、その点が決定的に違います。

本日は、ここまでにさせてください。第2回目は、更に詳しくお話させていただきます(^ω^)/

札幌市西区 琴似・二十四軒

心療内科 精神科

札幌ことにメンタルクリニック

院長  阿部 多樹夫