前回、双極性感情障害について
(1)双極性感情障害とうつ病の違い
(2)双極性感情障害には、Ⅰ型とⅡ型があることをご説明しました。
うつ病と双極性感情障害は、しっかりと区別する必要があります。何故なら、治療法が全く違ってくるからです。
【治療のポイント】うつ病の患者さんには、抗うつ薬を中心とした薬物療法を行いますが、双極性感情障害の方に抗うつ薬を処方することは非常に慎重を期する必要があります。それは、抗うつ薬を使用すると躁転(うつ状態から躁状態に急に転じること)する場合が多々あるからです。
そのため、双極性感情障害の治療の第一選択薬として、バルプロ酸ナトリウム 炭酸リチウム カルバマゼピン ラモトリギンなど気分安定薬を処方することが一般的です。
●躁症状が強い場合には、必要によって抗精神病薬を併用する場合があります。
●うつ症状が強い場合は、先ほど申し上げましたように躁転に気を付けて、慎重に少量の抗うつ薬の使用をすることが一派的でしたが、現在では、躁転しないセロクエル徐放剤やルラシドンを使う場合も増えてきました。
●躁うつ病相のどちらでも共通する症状として不眠が挙げられます。そのため、不眠の治療も同時に行うことが必要です。
●うつ病の症状で初診された患者さんの中で、実は双極性感情障害だったケースが15%程度あると言われてます。的確な診断のために、過去に躁状態を呈したことがある場合は、主治医にその旨を、必ずお伝えください。それだけで、非常に参考になります。
それでは、次回、最終の3回目に続きます(*^^*)
P.S.本日から、札幌市内も雪が本格的に積もって参りました^^
路面が滑りやすくなっておりますので、転倒して怪我などされないようにお気をつけ下さい(*^_^*)
札幌市西区 琴似 二十四軒
心療内科 精神科
札幌ことにメンタルクリニック
院長 阿部 多樹夫