公認心理師、臨床心理士、事務長の春名です。
令和5年になり、1月も半分が終わりました。お正月休みからいつもの生活に慣れ始めている時期かと思います。昨日から市内の小学校は3学期がスタートしたようです。中学や高校、大学などはすでに始まっており、学生もいつもの生活に戻ることになりますね。受験シーズンもすでに始まっており、緊張の日々を過ごされている学生の方もいらっしゃるでしょう。持てる力を十分に発揮できることを祈っています。
長期休みが終わるころには慌てて宿題に取り組むお子さんも多いかもしれません。私自身を振り返ってみても、休み前は早めに終わらせようと意気込んでいても、いざ休みが始まるとついつい先延ばし、結局は慌てて取り組んでおりました。
宿題も含め、物事を先延ばしにしてしまう傾向が強い場合、精神科ではADHDの可能性を疑うことがあります。ADHDとは、忘れっぽい、段取りをうまく組めない、先延ばしてしまうといった不注意の問題や落ち着きがない、思いついたことをぱっと行動に移してしまうといった多動、衝動の問題を有している障害のことです。
しかしながら、長期休みの宿題がギリギリになってしまうことは珍しいことではないのではないか?と疑問に思うことがこれまでたびたびありました。きっと同じ経験をしている人はたくさんいるはずと思い、少々ネットで調べてみたところ、こんな調査結果がありました。
「夏休み終盤の追い込み、今は昔!?夏休みの宿題は ”すぐやる”(35.3%)または計画的にこなす(27.1%)が主流。”締切の直前・夏休みの最終日”は少数派(7.2%)」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000453.000028894.html
株式会社やる気スイッチグループが教室に通う生徒さんにとったアンケートの結果です。このアンケートの結果では堅実に取り組む割合が多いという結果でした。駆け込みで終わらせる派はどうやら少数のようです。どうやら、ギリギリになってしまうことは私が思っていたよりも、たくさんとは言えないようです。私個人も含めて、少数派なのかもしれません。
とても有益な調査で、とても参考になった調査結果でした。研究を否定するという意図は全くないことを前提に、研究は常に批判的な視点でみるように、という学生時代の教えに則り、少しだけ批判的な私見を加えさせていただこうと思います。この調査では調査対象が教室の生徒さんということで基本的に学業に対するモチベーションが高い人が対象であることが結果に影響しているのではないかと思います。学業に対するモチベーションが高いので、宿題にも積極的に取り組む人たちを対象としたアンケートのため、ギリギリに取り組む人が少ないという可能性が否定できません。もう少し、学校全体を対象とした調査が無いものか、今後も調べてみたいと思います。
先程も述べたように宿題がいつもギリギリにならないと終わらないなど、ついつい物事を先延ばしてしまうという悩みは、単なる性格の問題ではなく、ADHDを有しているという可能性もあります。先延ばしてしまう人すべてがADHDではもちろんありません。ただ、やろうと思ってもどうしても先延ばしてしまい、学業や日常生活に支障をきたしているようであれば、一度専門的に相談してみることも有益かもしれません。