考えないようにする、があまり上手くいかないわけ

公認心理師、臨床心理士、副事務長の春名です

大きなことから、小さなことまで、私達は日々何かしら悩むことがあるものです。時には、考えても仕方の無いこともあれば、考えたくないのに頭に浮かんでしまうこともあるでしょう。悩んでしまうことに悩まされていると感じることもあるかもしれません。

そのような場合、時に「考えないようにしよう」と自分に言い聞かせるという対応でなんとか乗り切ろうとすることがあります。これは、全くとは言いませんが、思いの外上手くいかないことが多いと感じることはないでしょうか。

 

心理学では、「思考抑制」と呼ばれ、知られているのが、いわゆるこの「考えないようにする」という対処です。この思考抑制という対処は、考えたくない事柄を意識的に避けるということをするため、逆説的に言えば、考えたくない事柄がずっと頭の中に残ってしまうということが起きてしまいます。

なので、考えたくないのに、考え続けてしまうということが生じるとされています。

では、どのような対処にすればよいのかというと、「考えないようにする」のではなく、「別なことを考える」という対処にすることが推奨されています。別なこととは、実際何でもよいのです。どんな別なことを考えようか考えるだけで、すでに別なことを考えていることになります。

これを繰り返すほうが、考えたくないことを考えないです済む時間を増やすことができます。

考えなように努力するよりも、別なことを考える努力する方が、上手くいきやすいでしょう。みなさまも、ぜひ試してみてください。

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公認心理師 課長 春名大輔