自律神経失調症の原因・診断・治療について①

Q:自律神経失調症とはどういう病気なのですか?治りますか?

A:病気ではありません。しかし、つらい症状を伴います。生活習慣の改善や治療により改善します。

自律神経失調症という言葉をよく耳にすると機会があると思います。

当クリニックを受診される患者様の中にも内科を受診していろいろ検査を受けたが、どこにも異常が無く「自律神経失調症」と診断され、薬は処方されず「心療内科を受診するように」と勧められたため、来院される方が非常に多くおられます。

自律神経失調症をわかり易く説明する前に、まず自律神経とは脳幹間脳の視床下部という部位で調整されています。また、自律神経は交感神経と副交感神経の2つに分類されます。

交感神経は「怒りの神経」と言われ、文字通り戦ったり、ハードな仕事や運動に対して猛烈に取り組んでいるなど身体的・精神面で非常に活動的な場面で優位に働きます。

一方、副交感神経は「休息の神経」と言われ、戦いが終わってリラックスモードに入る時に優位に働きます。つまり、活動モードonが交感神経 で、活動モードoffが副交感神経と考えていた差し支えありません^^

自律神経失調症とは、つまり交感神経と副交感神経のon offのスイッチが上手く切り替わらないために生じてくる症状です。病気ではなく、症候群だと考えてください^^ そのため、自律神経失調病ではなく、あくまで、「自律神経失調症」と呼ばれております。それでは原因を説明いたしました。

原因

①睡眠不足・不規則な生活・偏った食生活・運動不足・過度な飲酒など俗にいう「生活習慣の乱れ」

②過度なストレス・うつ病など「精神心理面での疾患」

③10代半ばから始まる月経全症候群(PMS)、月経前気分(PMDD)

④45歳~55歳に多く出現する主に女性(希に男性の)「更年期障害」

その他「α‐シヌクレオパチー」といわれるパーキンソン病・レビー小体型認知症・多系統萎縮症(MSAという疾患群)でも認められます。

⑥「気象病」。最近、ようやく注目さわれるようになりましたが、天候や気圧の変化が多き時期に内耳(耳の1番奥の部分)の機能不全原因になって起こることが知られてくるようになりました。

多くの場合、上記した6つ状況で認められます。

それでは次回、第2話(完結編)にて診断と治療についてお話したいと思います(*^^*)

P.S.7月も半ばになり、暑い日が増えてきました^^;; マスクをして長時間の炎天下での活動は、熱中症になるリスクが上がりますので、涼しい衣服と十分な水分補給を十分に行い、しっかりと対策を心掛けてください(*^-^*)

札幌 西区 琴似

心療内科 精神科

札幌ことにメンタルクリニック

院長 阿部 多樹夫