PMS(月経前症候群)PMDD(月経前気分障害)について 

女性にしか理解できない非常にツライ、①PMS(月経前症候群)②PMDD(月経前気分障害)について、今回はお話したいと思います。

女性は人生で一定の期間、毎月、生理(月経)があります。生理の1~2週間前から情緒不安定・イライラ感・気分の沈み・不安感・焦燥感など精神症状が認められます。また、吐気・頭痛・肩こり・腹痛・腰痛・冷えのぼせ・便秘など身体症状が見られることがあります。原因はまだ100%分かっていませんが、女性ホルモンのバランスの変化で生じるという意見が有力視されております。おおよそ約8~10%の方に出現すると言われております。

①PMS(月経前症候群)②PMDD(月経前気分障害)の違いは、分かりやすく言うと、症状の強さで区別されます。精神症状・身体症状ともに強烈なのがPMDD(月経前気分障害)だと考えていただいて問題ないかと思います。

治療法ですが、規則正しい生活 十分な睡眠の確保 正しい食生活 適度な運動習慣など生活療法を心掛けることがまずは重要となります。

しかし、それだけで効果が不十分な場合も多々あります。

その際に、薬物療法も考慮する必要があります。薬物療法として次に述べる3つの有効性が知られております。

【1】SSRI:選択的セロトニン再取り込み阻害薬は、セロトニンのバランスを安定することが可能となります。いろいろな意見がありますが、現時点では最も効果のある治療薬と言われております。

【2】漢方薬:数種類ありますが、証(体質)と気・血・水(その時の状況)を見極めて、それぞれの患者さんに一番合う薬剤を選択することが非常に重要となります。最適な薬剤に出会えれば、大きな効果が期待できます。当帰芍薬散 加味逍遙散 桂枝茯苓丸 大桃蒸気湯

【3】低用量ピル産婦人科やレディースクリニックなどで処方されるケースが多いのですが、女性ホルモンの変動を抑えるので効果があると言われております。私は心療内科・精神科医なので専門外ですが、知人のベテラン産婦人科医から聞いた話では、妊娠に影響を及ぼす可能性が「ない」「ある」という両方の意見に分かれている様です。その産婦人科医師からのアドバイスでは「妊娠を前提にお考えらなら持続的な低用量ピルの服薬は、おススメできない」との回答でした。

まだ不明な点も多くありますが、上記記載しました様に、いろいろな治療法があります。

患者様ご自身にとって一番納得できる最適な治療を選択していただきたいと思います(*^-^*) 必要があれば婦人科やレディースクリニックの先生とも連携を密に取りながら、可能な限り症状が改善するようにお手伝いをさせていただきますと考えております(*^^*)

 

札幌 西区 琴似

心療内科 精神科

札幌ことにメンタルクリニック

院長 阿部 多樹夫