おはようございます。
心理師、事務員の春名です。
本日から、2月になります。明日は令和2年2月2日で、2ばかりの日ですね。
昨年10月より札幌ことにメンタルクリニックでお世話になり、4か月がたちました。心理師としての業務だけでなく、事務業務という新しい仕事も少しずつ覚え始め、これまでに取り組んだことのない業務に日々取り組んでいるところです。
今回は、前職場で携わっていた業務について取り上げたいと思います。
前職では、個人や集団を対象とした心理療法、心理検査、デイケアでのスタッフ業務に携わっておりました。13年勤務し、様々な経験を積む機会をいただきました。
今日はその中から心理検査業務の一部のお話です。
前職でたくさんの経験をさせていただいた心理検査が知能検査でした。聞き覚えのある方もいらっしゃるかもしれません。
知能検査とはその名の通り、知能を測定するものですが、知能が何なのかという点は、心理学的にも様々な理論が存在します。その点については今回は触れません。
日本の精神科医療で一般的に用いられる知能検査にはウェクスラー式とビネー式というものがあります。前者はWAISやWISCと呼ばれるもので、現在はⅣと呼ばれるバージョンが主に用いられます(WAISについてはⅢも現在よく利用されています)。ビネー式は田中ビネーⅤというものが主に用いられます。
知能検査が広く知られるようになったきっかけと呼んでよいかと思いますが、その一つが発達障害です。私が働き始めた10数年前はまだ、発達障害はあまり有名にはなっておりませんでした。ここ10年ほどで、一般にも広く知られるようになったと思います。
発達障害が徐々に浸透し始めたころから、発達障害は知能検査の結果に大きなばらつきが生じやすいという話がありました。知能検査というのは、いくつかの分野の能力の総体として知能指数という一つの数値を示します。そのいくつかの分野間に数字上の開きが生じるというものです。
確かに発達障害という方の中には数値のばらつきを示す方がいます。それが徐々に数値がばらつくと発達障害という逆の理解も浸透し始めてしまいました。発達障害であるかどうかは特徴が診断の基準を満たすだけ十分にあるかどうか、それによって生活上の支障があるかどうかという総合的な判断で診断されます。しかしいつのころからか知能検査は発達障害がわかる検査というようなイメージを強く持たれる検査になってしまいました。発達障害の診断をより強く補助できる検査は知能検査ではなく別にあります(ADI-Rと呼ばれる検査等)。しかしながら、日本の医療機関ではあまり利用されている検査ではありません。私自身もそのような検査を実施した経験はありません。
知能検査は発達障害の診断の補助にはなりますが、それを受けると診断がわかるというものでもありません。個人の得意なところ、苦手なところといったその人の特徴をより客観的に評価することができるという検査と考えるほうが適切であると思っています。診断の有無を明らかにする検査ではなく、個人をより理解するための検査といえるでしょう。
当クリニックではWAISやビネーと呼ばれる検査は行っておりません。当クリニックでは、発達障害の特徴を評価する簡易な心理検査と問診によって発達障害の可能性について評価する方法をとっております。知能検査による評価は行うことができませんが、発達障害の可能性については評価を行っておりますので、お悩みの方は医師にご相談ください。
今後もこれまで私が携わらせていただいきた業務について自己紹介を兼ねて書かせていただこうと思います。
札幌 西区 琴似 二十四軒
心療内科 精神科
札幌ことにメンタルクリニック