じっとしていられない、つい人の邪魔をしちゃうは病気?

公認心理師、臨床心理士、事務長の春名です

前回に引き続き、今回はADHDの多動・衝動について取り上げたいと思います。前回もお話させていたように、ADHDとは、発達障害の一つで、「不注意」と「多動、衝動」という特徴を持つ、先天的な疾患と考えられています。この十数年の間で、一般的にも知られるようになり、数年前からは大人の発達障害といった表現が用いれられ、メディアに取り上げられたり、書籍も多数出版されております。

多動、衝動の症状
・じっと座っていることが苦手だったり、同じ姿勢でじっとしていることが苦手
・不適切な状況や場面で、席を立ってしまったり、動き回る
・落ち着きがなく、何かに動かされているかのように活動する
・しゃべりすぎる
・質問が終わる前に話し初めてしまったり、相手の話が終わる前に話し初めてしまう
・順番を待てない
・忙しい人に声をかけて、相手の作業を中断させてしまう

多動の特徴はより小さい頃に目立ちやすいと言われています。幼少期(小学校入学以前)から落ち着きがない、じっとしていられない、とにかく活溌というような特徴がみられます。なので、一見すると元気な子供です。しかし、すぐにどこかに行ってしまい迷子になったり、飛び出して危ない目に遭遇しそうになったり、怪我もよくしてしまうなど、単に元気という表現では済まされないことが生じます。

小学生では低学年の時期には落ち着きのなさが引き続き目立ってしまうことが多いようです。授業中に立ち歩いてしまうといった場合もありますが、座っているけれど手や足をよく動かしてしまう、座る位置を頻繁に変えるといったこともあります。なので、入学式や始業式といったイベントで、じっとしていることを求められると、とても辛い思いをされます。

立ち歩く、動き回るといった大きな動きを伴う落ち着きのなさは、高学年ぐらいから落ち着いてくると言われます。なので、高学年から中学生以降はじっとしていられない、座位をよく変える、手や足がよく動くなど小さな動きの落ち着きのなさが主体となっていきます。そのため、日常生活では大きな支障とならずに経過する場合もよくみられます。

中学、高校、大学など成人に向かっていく過程では、しゃべりすぎる、思ったことをすぐに口にしてしまう、忙しくしている人の手を止めてしまう、といった特徴のほうが生活への支障が大きくなる場合があります。このような特徴がより強く出る人の場合だと、人間関係が上手くいかなくなるきっかけになってしまうからです。

成人期以降では、職場で席を頻回に立ってしまう、落ち着いて座位を保てないといった特徴がみられます。また、じっと座って作業をし続けるといった業務は苦痛に感じてしまうことが多いようです。家庭の中では、休みをゆっくりと過ごせないといった困難が生じることもあります。

不注意の特徴と同様に、多動・衝動の特徴もその時期だけに限らず一貫して持続するということもあります。また、何らかの工夫で特徴はあるのだけど、問題は生じていないという場合もあります。じっとしていられないからADHDということにも、もちろんなりません。幼少期からのエピソードを丁寧に聴取し、特徴の有無や生活への支障を総合的に判断して診断されます。

そのような判断の結果、ADHDという診断となれば、不注意の症状と同様にその後どのような治療を行っていくかを相談していきます。ADHDには治療薬があるので、薬物療法を行うかどうかといった検討を進めていくことになります。また、日常的な工夫を増やし、自身の特徴をどう補っていくか、ということも併せて考えていくことが基本的な治療方針となります。

じっとしているのが苦手、ついしゃべりすぎてしまって、つい忙しくしている人の手を止めてしまって等々、もしかするとそれはADHDの特徴かもしれません。医療機関への相談を検討してみるとよいかもしれません。

 

忘れっぽい、片付けられないは病気?

公認心理師、臨床心理士、事務長の春名です

本日は当クリニックにおいても、ご相談を受ける機会が多い疾患の一つでもあるADHDについてのお話です。この十数年の間で、ADHDをはじめとした「発達障害」といわれる障害が一般的にも知られるようになってきました。数年前からは大人の発達障害といった表現が用いれられるようになり、メディアにも取り上げられ、数多くの書籍も出版されています。

ADHDとは、発達障害の一つで、「不注意」と「多動、衝動」という特徴を持つ、先天的な疾患と考えられています。本日は、「不注意」と呼ばれる特徴について取り上げたいと思います。

不注意の症状
・些細なミスをしてしまう
・課題や活動の最中に注意を持続することができない
・課題や活動を順序立てて取り組んだり、優先順位をつけながら進めることが苦手
・忘れもの、失くしものが多い
・話しかけても聞いていないように見える
・他の刺激で注意がそれ易い
・スケジュールを忘れてしまったり、時間を計算して動くことが苦手

小学~中学時代では特に身の回りのものの管理に苦手さが生じます。忘れ物が多かったり、よく物を失くしてしまったり、プリントを親に見せたり期限に間に合うように提出ことが苦手であったりします。一見、そんな問題はなかったという場合にも、周囲の大人が常に声掛けをしていたので防げていたということや学校に置いていっていたという対応により問題にならなかったということもあります。整理整頓も苦手なため、カバンの中や机がぐちゃぐちゃになってしまうこともよくみられる特徴です。時間の管理が苦手で、学校に間に合わない、友達との待ち合わせに遅れてしまうといったこともみられます。

高校~大学時代でも同様に身の回りのものの管理が苦手であることが続きます。ただ、置いていくということが増える年代でもあり、忘れ物などはあまり目立たなくなることもあります。このころからは貴重品を持ち歩くことも増えます。それに伴い、貴重品の紛失やどこに置いたかわからなくなるといったことが増え始めます。大学ではレポート課題が増えるため、締め切りをうまく管理できないといった悩みがでることもあります。また、この年代では単身生活がスタートする人もいます。単身生活では整理整頓ができずに部屋が散らかってしまったり、ゴミ出しを忘れてしまい、部屋にゴミが溜まってしまうといった問題もよく聞かれます。

成人期以降では、職場でいくつかの業務を頼まれても同時に処理していけなかったり、何度教えられても覚えられない、ケアレスミスがよく起こる、会社に遅刻してしまうといった問題がよく聞かれます。学生のときまでは気づかなかったが就労し始めることで困難に初めて気が付くという人もいらっしゃいます。家庭の中では、整頓が難しいことや手際よく料理を作るなど、段取りを組むことが難しいといった問題がみられます。

それぞれの年代に応じて記載した内容は、その時期だけに限らず一貫して持続するということもあります。また、何らかの工夫で特徴はあるのだけど、問題は生じていないという場合もあります。忘れっぽいからADHDということにも、もちろんなりません。幼少期からのエピソードを丁寧に聴取し、特徴の有無や生活への支障を総合的に判断して診断されます。

そのような判断の結果、ADHDという診断となれば、その後どのような治療を行っていくかを相談していきます。ADHDには治療薬があるので、薬物療法を行うかどうかといった検討を進めていくことになります。また、日常的な工夫を増やし、自身の特徴をどう補っていくか、ということも併せて考えていくことが基本的な治療方針となります。

いくら言われても、何度言われても、どうしても忘れてしまう・どれだけ気をつけても失くしてしまう・どれだけ注意を払っても何かミスしてしまっている等々、もしかするとそれはADHDの特徴かもしれません。医療機関への相談を検討してみるとよいかもしれません。

次回は、多動・衝動についてお話したいと思います。

メンタルにとっても予防や早期発見が重要です

公認心理師、臨床心理士、事務長の春名です。

ゴールデンウィークも終わり、通常の生活に戻られている方が多くいらっしゃるでしょう。5月病と言われるように、「休んだのにどうにも調子がいまいち」と感じたり、「現実に戻り気分が沈む」と感じられている方もいらっしゃるかもしれません。

数年前から、医学の領域では予防していくことが重要とされていますが、メンタルケアにとっても予防や早期発見は重要なトピックの一つです。今回は予防や早期発見の一環として、ストレスがかかってくると、始めにでやすい症状(初期症状)についてご紹介したいと思います。

・疲れやすい
易疲労(いひろう)とも言われますが、「疲れやすい」と感じることです。もちろん、日常生活ではいろんなことをして過ごしますので、「疲れる」ことそのものに、心配はありません。この特徴のポイントは「やすい」という方になります。「これまでなら、このぐらいのことでこんなに疲れることはないのに」、「疲れがいつまでも取れない」というような感覚が増えてきたときには少し注意をしておくとよいでしょう。

・睡眠のリズムが変わる
寝付けない、途中で目がさめる、寝た感じがしない、いつまでも起きられないなど睡眠のリズムがそれまでと変わることも初期症状の一つと言われています。一晩だけ寝付きが悪かっただけでは、もちろん初期症状とはいえません。睡眠リズムの変化が週の半分以上あり、それが2週間以上続いているようであれば、ストレスによる反応を疑ってよいでしょう。

・落ち着かない、イライラしやすい
なんだかソワソワして落ち着かない、じっとしていられない、些細なことでもイライラする、以前なこんなことにこんなにも腹が立つことはなかったのに、といった感覚が増えることもストレスによる反応が生じている疑いがあります。ストレスがあると不安になったり、落ち込んだりすることは多くの方がご存知ではあると思いますが、不安や落ち込みより、落ち着かない感じやイライラしやすいという変化のほうが先に生じると言われています。

以上、ストレスがかかっているときの初期症状になります。普段から自分自身の状態に目を向け、ご紹介したようなポイントが生じたり、続いたりしていないかをチェックしていただくとよいでしょう。どうやらしばらくこのような症状が続いていると気づいたときには、精神科、心療内科にご相談いただくとよいでしょう。

ゴールデン・ウィークが始まります

公認心理師、臨床心理士、事務長の春名です。

明日からいよいよ、ゴールデン・ウィークが始まりますね。緊急事態宣言やまん延防止重点措置といった規制がないゴールデン・ウィークとなりました。感染状況は未だに余談を許さない状況ではありますが、3年振りにいつもの連休に近づいたのではないでしょうか。

今年のゴールデン・ウィークは最大で10日間という方もいらっしゃるようですね。当クリニックはホームページでもお知らせしておりますが、暦通りの診療となります。4月30日(土)、5月2日(月)、6日(金)、7日(土)は通常診療しております。休診日の前後は混雑することも多く、受診の際は事前にお電話いただくようお願いします。

天候は今のところあまり良いとは言えないようですね。予定していた行き先や活動によっては、変更を余儀なくされてしまうこともあるかもしれません。天気予報が外れてくれることを祈るばかりです。

4月からの新生活にも少し慣れはじめて、新社会人の方々は初任給を手にするなど、例年ゴールデン・ウィークの時期というものはちょっと一息という方が多いかもしれません。もちろん、行楽地や商業施設で働いている方にとっては忙しい時期でしょう。花屋さんは母の日を控えて大忙しかもしれません。受験生にとっては、連休に観光やお出かけとは無縁な日々かもしれませんね。過ごし方は人それぞれかと思いますが、ゴールデン・ウィークを経て、いつもの生活に戻ったあと、しばらくは注意深く生活を送る方がよいかもしれません。

昔から五月病という表現があるように、連休が終わり、いつもの生活に戻ると、「なんだか気分がうつうつとしてしまって・・・」と感じる方が多くいらっしゃいます。学校や仕事といったいつもの生活にあるストレスと再会してしまうこと、連休というイベントが終わるというちょっとした喪失の体験といったことが影響しているのだろうと思われます。そして、新しい生活に4月は気持ちも張り詰めていたものが、連休を挟んでふっと気が抜けるといったこともあるのかもしれません。理由は様々考えられますが、気をつけておくほうがよい時期といえます。

これまでのブログ内でもたびたび、ストレスへの対処法はご紹介させていただきました。繰り返しにはなりますが、十分に食事、睡眠を摂る、リラックスするアイテムや手段を積極的に活用する、そのために事前に見つけておく、できたこと・満足をたくさん見つけるといった対処で日々のストレスの緩和をはかることがお勧めです。特に最後に挙げた、できたこと・満足を見つけることがポイントです。憂うつな気分は、私達の視点や思考を基本的に悲観的に変容します。つまり、気づかぬうちに物事をネガティブに考えがちになるということです。なので、日々の生活では「あれができなかった」「これではだめだ」とできなかったことや失敗といった考えが増えていきます。

反対にできた・満足というものは何もないと感じるようになります。これは、そういった出来事がなかったというよりも、憂うつな気分により見落とすということが増えることによって生じます。いつもなら、「今日はこれができたし」「まずまずだった」と満足できるようなことも、憂うつなときにはそのように気づけなくなってしまいます。「こんなことできて当たり前」「いつもやっていること」というようなことでも、できた・満足として積極的にその数をかぞえるようにしておくことは、ストレス緩和にとても有効です。コツは小さくて、ちょっとしたことをできた・満足としてカウントすることです。そうすることでたくさん見つけやすくなります。

明日から始まる連休が充実した日々となり、その後の生活も穏やかに過ごせるよう、参考になれば幸いです。

 

ストレスにはこんなものもあります

公認心理師、臨床心理士、事務長の春名です。

新年度がスタートし、気がつけばもう半月が経とうとしております。新たな生活を迎えたみなさんも、少しずつ生活に慣れ始めているところでしょうか?場合によっては、新しい環境にストレスを感じ始めている人もいらっしゃるかもしれません。

皆さんは、「ストレス」と聴くとどんなことを思い浮かべるでしょう?
「最近、ストレス溜まってて・・・」と、

主婦の方が言えば、週末に旦那さんが何もしないのか、それとも子育ての苦労があるのかと想像してしまうかもしれません。

新社会人の方が言えば、会社で上司や先輩と上手くいっていないのか、それとも仕事が大変なのかと想像するかもしれません。

学生の方が言えば、友達と上手くいっていないのか、それとも勉強が大変なのかと想像するかもしれません。

単に「ストレス」と言っても、内容は様々です。何らかの対人関係上に生じることが多いと言われていますが、ストレスはそればかりとは限りません。例えば、音や匂いなどの環境的なものもあれば、化学物質といったものもあります。

最近の話題で言えば、気温差も私達にとってはストレスです。春らしい季節になったかと思えば、寒さが戻ったり、一日の中で気温差が大きかったりと、最近の天候も私達にとってはストレスになり得ます。また、花粉もストレスと言えるでしょう。来週からはシラカバの花粉が飛び始めるという予測のようです。そして、今年は花粉の量が多いという予測だそうです。花粉症の方にとっては、辛い季節がやってきます。

心理学的には、ストレッサーという刺激に対して私達が反応することを総称して「ストレス」と言います。なので、ストレスがないということは刺激がないということであり、現実的ではありません。また、一般にストレスとはネガティブな意味合いで用いられていますが、刺激に対する反応なので、ポジティブな反応も含んでいます。しかし、一般にはネガティブな意味合いだけで使われることがほとんどです。

ネガティブなストレスは私達の生活につきものですが、できる限り反応は小さくしたいものです。私達が遭遇するストレスは様々で、時には予測不可能なものもありますが、できる限り、対策・対応を取ることで、影響を最小限にしていくことができると良いでしょう。時には解決が難しいと感じられるストレスもありますが、まずは解決しやすそうなものから順番に取り組んでいくことがお勧めです。まずは、花粉症対策グッズを揃えておくことから始めるとよいかもしれません。

今年度も本日で終わりとなります

公認心理師、臨床心理士、副事務長の春名です。

過去にない大雪の日々も過ぎ去り、例年に比べれば残雪が多いものの、道路の雪も無くなり、いつもの春が訪れました。数日は寒さが舞い戻り、春の陽気とはいかないようですが、寒さも残りあとわずかというところですね。

本日で令和3年度が終わり、明日からは令和4年度となります。小学校から大学生まで、卒業式も終わり、春からの新生活への準備も佳境を迎えていることでしょう。大きな変化のない方々もいらっしゃると思いますが、新年度ということで気持ちも新たに、と感じる季節ですね。

新生活には不安や緊張がつきもので、ストレスを感じることも増えやすい時期でもあります。新生活が始まった直後には、忙しさで気づかず、一段落した頃に、心身に異変を感じることもあります。早めに気づき、日常的にケアをしていきましょう。

ストレスがかかってくると、イライラしやすくなったり、睡眠のリズムが崩れたり、疲れやすいと感じやすくなります。これらは初期のサインと言われています。「いつもならここまで腹が立つようなことじゃないのに」、「寝た感じがしないな」「何かいつもよりも疲れるな、疲れが取れないな」といったつぶやきが増えてくるようであれば、自分をケアするサインと言えます。

ケアの仕方はそれぞれです。ゆっくりとお風呂に浸かったり、気分転換に外出したり、一人でゲームに没頭したり、友人とおしゃべりしたり、自分に合ったケアの方法をいくつか見つけておくと良いでしょう。ケアしているけど、中々改善しない場合にはメンタルクリニックや心療内科などに相談することも検討すると良いでしょう。

私事ですが、これまで副事務長として業務に当たらせていただきましたが、明日から事務長として、業務させていただくことになりました。これまで通り、心理療法や心理検査も行いますので、これまでと大きな変更はありませんが、気持ちを引き締め、頑張りたいと思います。自分自身もケアしつつ、皆さんのお役に立てるよう精進したいと思います。

またストレスが空からやってくるかもしれません

公認心理師、臨床心理士、副事務長の春名です。

先週は、例年にない大雪が降り、JRやバスなど交通機関の障害、通勤時間にはいたるところで渋滞が発生するなど、大変な日が続きました。

道路の排雪も進み、少しずつ平年並みの冬の生活に近づいてきたかと思えば、今週末から週明けには再び荒れた空模様となるようです。例年よりも多くの雪ということで、雪かきの頻度も多くなっている方もたくさんいらっしゃると思います。いくら北海道とはいえ、もう雪は勘弁してもらいたいという気持ちになってしまいますね。

また先週のように渋滞するのではないか、雪かきが大変になるのではないかと天気予報を見るたびに不安になってしまいますね。備えあれば憂い無しという言葉がありますが、このような大雪に何を備えておけば、憂うこと無く過ごせるのだろうかと、ふと思ってしまいます。

私達は、前もって何かしておくことで、望ましくない結末が生じることを防ぐことができると考えることがあります。このような考えから「備える」という発想も生まれるので、一理あるのですが、しかし、必ずしも生じることを防げるわけでもないという側面もあります。時には、前もって何ができるかに時間を使うよりも、今に目を向けて生活するほうが良いということもあります。

週末や週明けの天候のことを考えて過ごすよりも、今の所荒れた天候ではない今に目を向けておこうと思いながら、この記事を書いてします。

今週、通勤中にふとコートに目をやると、とても綺麗だったので、つい写真を撮ってしまいました。いっぺんに来ないでくれれば、こんなにも綺麗なものなんだけれど、と思いながら。

大学入学共通テストが行われますね

公認心理師、臨床心理士、副事務長の春名です。

連日の大雪に皆様も大変ご苦労されているでしょう。道路の渋滞のひどく、中々クリニックにたどり着くことができなかったというお話を耳にすることが連日続いております。

そんな中、本日から大学入学共通テストが始まりますね。受験生の皆さんは天候も含めて様々な不安や緊張の中、試験に臨んでいらっしゃるでしょう。試験の緊張だけでも相当であるのに、この天候や新型コロナの感染状況などさらに悩みが増えてしまう状況に、想像するだけでも相当な緊張感であろうと思います。

心理学では有名な話題ですが、私達が自分の持っている最大限のパフォーマンスを発揮するには適度な緊張が必要と言われています。緊張がなさすぎても、しすぎても、パフォーマンスの低下を引き起こしてしまいます。天候や感染状況などの緊張感がパフォーマンスを上げることにプラスには働きにくいですが、試験会場で感じる適度な緊張感は受験生が蓄えてきた力を十分に発揮することに役立ってくれると思います。

加えて、私達はその時々に思うことがその後の感情や気分に大きく影響します。例えば不安は将来に自分にとって嫌なことが起きるという予測によって生じます。このように、思考はその後の感情や気分に影響します。その影響を利用して、精神科医療やメンタルヘルスでは思考を調整してその後の感情・気分のコントロールを図るということを行うこともあります。

思考と感情の強い関係は双方向で起こります。つまり、「そう思ったから、緊張する・不安になる」という方向と「緊張している・不安だから、そう思ってしまう」ということもあるということです。そして、私達に共通する特徴として、思考と感情が一致していると、どうも本当にそうなりそうな気がしてくるという傾向があります。

試験に対する緊張や不安は、ついネガティブな思考を私達に想起させます。そして、その予測は当然のごとく感情・気分と一致していますので、「本当にそうなるような気がする」ということを引き起こします。

この先の試験にどんなことが起きるか、それは予言できるものではありません。「きっと大丈夫」「自分はできる」など、自分自身へのポジティブな声かけや自分への声援も同時にしてみることがお勧めです。そう声をかけても、そうなるような気がしないのは、緊張不安という感情や気分と予測が一致していないというだけかもしれません。

受験生の皆さんのこれまでの頑張りが十分に発揮できる日になることを祈っています。

令和3年最後の診療日となりました

公認心理師、臨床心理士、副事務長の春名です。

令和3年12月もあっという間に過ぎさり、ここ数日で景色もいつもの冬景色へと一変してしまいました。気づけば、今年のクリニック診療日も最終日を迎えました。

令和3年はその多くがコロナとの戦いであったように思います。令和2年から引き続いていたことではありますが、全国的に感染者が爆発的に増え、多くの方々が苦しい思いをした時期が続きました。

当クリニックでも、アルコール消毒の徹底やソーシャルディスタンスを維持することなど、可能な限りの感染対策を取り、患者様のご協力もいただくことで、何とか苦しい時期を乗り越えることができました。この場を借りて、心より感謝申し上げます。まだまだ、予断を許さない状況は続いておりますが、来年も引き続き感染対策を徹底してまいりたいと思います。

この1年では、昨年に比べ更に多くの患者様にご来院いただけるようにもなりました。ストレスは様々ではありますが、多くの皆さんのストレスの緩和や健康的な日常生活を送ることに、当クリニックがその一助となれていることは大変嬉しく思います。

反面、この1年では以前に比べると、新規での患者様の早期の受付が難しくなっていることについては、とても心苦しいと感じております。現在もお問い合わせいただいた場合に、当日中に受診ができないということが増えつつあります。

当クリニックは「こころのかかりつけ医」でありたいと思っています。お困りの患者様の診療やご相談は、可能な限りお受けしたいという想いは開院当初から一貫して変わっておりません。しかし、一定の質を維持して提供し続けていくには際限もございます。その点は、どうかご理解いただければと思います。

現在、再診の方々の予約調整の兼ね合いから、新規患者様のご予約は翌週末までのご案内とさせていただいております。そのため、お電話をいただいても、必ずしも、早いご予約のご案内ができない場合もあります。ご不便をおかけして大変申し訳ありませんが、ご理解、ご協力をお願いします。

令和4年は4日から通常診療を開始いたします。来年も多くの皆様の健康にお役に立てるクリニックを目指して、スタッフ一同励んでいきたいと思います。来年も札幌ことにメンタルクリニックをよろしくお願いします。

現在、男性女性の2名の公認心理師(臨床心理士)カウンセリング・認知行動療法・心理検査(発達障害・認知症等)を積極的に行っております。もしお困りの方は、まず、お電話にてお問い合わせください。

 

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札幌市 西区 琴似

心療内科 精神科

医療法人道樹会 札幌ことにメンタルクリニック

 

即行動も良いですが、時には

公認心理師、臨床心理士、副事務長の春名です。

とうとう札幌にも初雪が近づいているようです。本格的な冬が到来するのも時間の問題になってまいりました。日々の暮らしで雪に悩まされる時期がやってきてしまいます。

先日も悩みながらもタイヤ交換を済ませました。あまりにも早く交換するとタイヤがもったいない気がしてしまいますし、しかし、いつ降ってもおかしくない季節でもあり、悩みましたが、安全を優先し交換しました。

日々、大きな事、小さな事を含めて、私達はいろいろと思い悩むものです。その整理や解決へのお手伝いを心理療法ではさせていただいております。

悩んでいると、自分の出した結論が本当に妥当といえるか、わからなくなってしまうことがありますね。私もある時点までは、いつタイヤを交換するべきか、本当に今タイヤを交換するべきなのかと悩んでおりました。

このように、結論が本当に妥当といえるかどうか、判断に悩んだ時の工夫の一つとして、結論から行動に移すまでに一定の時間を設けるというものがあります。私の体験に当てはめると、交換しようと結論を出してから、実際に交換するまでに一定の時間を設けるということになります。一定の時間がたった後でも、同じ気持ちであったときに、初めて行動に移すというやり方です。

一定の時間に特に決まりはありませんが、1日や2日という時間の場合もあれば、内容によってはより長い時間を取るのも一つです。この工夫は「衝動買い」の防止にも役立ちます。
欲しいと思って商品を手にとってから、1日たっても欲しいと思ったときに、初めて購入するという方法です。こうすることで、「買っても使わなかった」を防ぐことに役立ちます。

最近にはネットショッピングなど、購入しに行く手間がほとんどなく買い物ができてしまいます。買いに行く手間を考えても、それでもほしいというものは「買っても使わない」という結果になる可能性は低いでしょう。しかし、その手間がなく、クリックのみで購入できるので、ネットショッピングなどでは2日以上は時間をあけておくとより効果的かもしれません。

時にはこのような工夫が生活に役立つこともあるのではないかと思います。参考になれば幸いです。

 

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