Q&A 第3回 お薬の副作用や依存性は心配ありませんか?

 

Q:心療内科や精神科のお薬に、副作用や依存性はありませんか?

A:結論から申し上げますが、あります。

薬物療法を行う上で、非常に重要ですので、ご説明します。まず、医療用の薬剤は、ほぼすべて副作用があります。たとえ、漢方薬といえども間質性肺炎や偽性アルドステロン症、下痢症・弛緩性便秘症などがあります。

向精神薬(心療内科・精神科で一般的に使用する薬剤全般の名称)も、残念ですが、同様に副作用があります。特に古いタイプの薬剤は、さらに副作用が強い傾向があります。

依存性に関しても、同様に古い薬剤ほど大きく、新しいタイプほど、依存性が少なくなってます(ほんの一部、例外は、ありますが;)。

結論から申し上げると、古いタイプの薬剤から新しいタイプの薬剤に置き換えることで、副作用や依存性を極力、減らすことが可能となります。

副作用や依存性が少ない薬剤を選択・処方することが、患者様にとって有益となります。ご不明な点は遠慮なく、主治医に相談してみましょう。

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心療内科・精神科

院長 阿部 多樹夫

双極性感情障害(躁うつ病)について③

双極性感情障害は、治療を中断すると、再発しやすい疾患です。

治療を怠っていると、再発を繰り返します。繰り返すたびに、調子のよい時期(寛解期)が短くなってきます。徐々に間隔が短くなると、最後は急速交代型(ラピッドサイクラー)といわれる1年のうちに4回以上、躁状態とうつ状態を繰り返すまでに悪化していきます。そうなると、日常生活が成立しなくなります。

最後には、仕事・家族・社会的信用・友人・財産・生命など、大切なものを失ってしまう可能性もあります。

【治療のポイント2】

●まず、早期発見 早期治療が重要です。

●自身の疾患を受け入れて、正しい治療法を理解した上で、治療を開始することが、何より大切となります。

●治療を開始して、症状が一旦、落ち着いてきたからといって、服薬を中止したり、薬の量を自己調整したりすると再発の危険が高まります。処方された薬をきちんと服用しましょう。飲み忘れにも注意してください。副作用が気になる場合は遠慮なく主治医に相談することをお勧めします。

●規則正しい生活をしましょう。過労や睡眠不足などは再発するきっかけとなり得ます。

●自分一人では、治療を継続していくのが困難な場合もあります。ご家族や職場の上司や仲間にも、双極性障害について理解してもらい、薬の飲み忘れを指摘してもらったり、再発のサインがあれば注意してもらえる環境を整えることも大切です。

●高血圧症や糖尿病の治療と同様に、双極性感情障害の治療でも服薬の継続がとても重要となります。

 

しっかりと治療を継続し、周囲からのサポートや協力を得て、無理なくマイペースで過ごすことによって、安定して生活を送ることができるようになります。

以上、双極性感情障害について、お話いたしました。

最後まで、聞いてくださり、ありがとうございました(*^^*)

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院長 阿部 多樹夫

忠臣蔵(時代劇)ファンです♪

忠臣蔵は、放映される季節となってきました^^

元禄15年(1702年)12月14日は、赤穂浪士が吉良邸に討ち入りして、主君、浅野内匠頭の仇討ちをした日です。

私が子供の頃、毎年のように、この時期にTVで放映されてました。

最近は、忠臣蔵をご存じない世代も増えているのかも知れません^^;

もう他界しましたが、私の父も祖父も時代劇が大好きだったので、家族で一緒に年末に、見ていた懐かしい記憶があります^^

浅野家と吉良家どちらが正しかったか賛否両論は現在まで続いてますが、その当時、江戸市民は、大石内蔵助はじめ47士を熱烈に支持したのは事実のようです。

歴史談義やことの善悪を論じるつもりは毛頭ありませんが、2012年ごろに、両家に関係ある人々が、お互いに和解して握手をされたという記事を読んで、感激しました。

人はいつまでも、憎しみ合ったり、罵り合っていては、決して前に進めません。どこかで妥協点を探して、お互いに認め合い、共存する道を探す必要があると思います。

私にとって、忠臣蔵は、そういう教訓を与えてくれた時代劇です(*^-^*)

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院長 阿部 多樹夫

双極性感情障害(躁うつ病)について①

今回は、双極性感情障害(躁うつ病:以下 双極性感情障害とのみ記載について全部で3回に分けて、お話させていただきたいと思います。

双極性感情障害は文字通り、気分が高くなった状態である「躁」と気分が沈んでしまった状態である「うつ」を繰り返す脳の疾患です。性格や心理的な問題でなるのではありません。

双極性感情障害は人口の1%くらいにみられ、男女差はありません。誰にでも起こりえる疾患です。

うつ病はうつ症状(気分の沈み 意欲低下 疲れやすい 不眠 死にたい気持ちになる等)のみが出現します。

双極性感情障害では躁症状(気分が高まって、元気が出てくる 何でもできると自信に満ち溢れてくる おしゃべりになる 寝なくても平気になる 怒りっぽく攻撃的になる等)とうつ症状の両方を繰り返し認めることが特徴となります。場合によっては、躁症状とうつ症状が交じり合った躁うつ混合状態となることもあります。

 

 

双極性感情障害には、日常生活に支障が生じる強い躁状態とうつ状態がみられる双極Ⅰ型と、日常生活には支障が生じない軽度な躁状態(軽躁状態)とうつ状態がみられる双極Ⅱ型があります。

 

今回は、ここまでとさせていただきます。

次回は、双極性感情障害の2回目を、お話させていただきます。

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札幌ことにメンタルクリニック

院長 阿部 多樹夫

 

 

 

 

 

 

 

統合失調症について③

統合失調症は薬物療法を行うと一旦、症状が良くなります。

しかし、症状が良くなったからと言って、自分で服薬を中止すると、再発の危険が高まります。また再発を繰り返すと症状が強くなり、治りにくくなります。

お薬は再発を予防する効果もありますので、服薬を続けていただくことが非常に重要となります。

分かりやすい例でいいますと、高血圧症の患者さんが、降圧薬(血圧を下げる薬)を服用すると血圧は一旦、正常まで下がります。しかし、お薬を中断すると、また元の高血圧に戻ってしまいます。それを放置すると、いずれ、心筋梗塞や脳卒中といった深刻な事態になります。まさに同じものと考えてください。

「一病息災」の言葉通り、きちんと服薬を継続すれば(一部の例外を除いて)そうそう悪くなることはありません。普通に仕事や日常生活も送れますので、ご安心ください^^

あとは過度なストレスを避けて、睡眠や休息を十分にとり、規則正しい生活を送っていただければ、更に再発のリスクが少なくなります。

 

明日から12月になります。早いもので今年も残り1か月となりましたね^^;

季節柄、忙しくなると思いますが、良い新年を迎えられるように、皆様のご健康とご多幸をお祈りいたしております(*^^*)

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院長  阿部 多樹夫

 

 

 

 

 

札幌は住みやすい都市です^^

札幌市は全国で5番目に人口が多く、約195万人都市です。

一つ上の人口4位は名古屋市が約230万人。一つ下の人口6位は福岡の150万人です。

北緯上では世界でも、珍しい大都市です。長い冬もありますが、四季がはっきりしていて、すごく過ごしやすいですね(*^^*)

秋を惜しむ気持ちもありますが、これから来る長い冬をも楽しみたいと思います^^

北国ゆえの理由になりますが春夏秋冬、季節の移ろいがはっきりしている、この素晴らしい大地で生活を出来ることは、非常に幸いなことだと思います^^

 

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院長 阿部 多樹夫

統合失調症について②

統合失調症について、第2回目のお話をいたします。

陽性症状は、誰が見ても明らかに分かるような症状であり、幻聴(誰もいないのに命令調の声や悪口が聞こえる) 妄想(誰かに見張られている 監視されている 悪口を言われている) 興奮 思考障害(思考が混乱して、全体的に思考のまとまりが悪くなります。具体的には、会話に一貫性がなくなり、話している内容が理解できにくくなることもあります)などが挙げられます。

陰性症状感情の平板化(喜怒哀楽全てにおいて希薄化して、他者との感情の接触が浅くなります)自発性低下(自発的に、何かをしようとする意欲がなくなり、何事も長続きできなくなります) 無為自閉(日常生活で面倒くさがることが多くなり、誰とも接することも嫌がるようになります。例として、身だしなみを気にすることもなくなり、入浴・掃除もしなくなります)

治療:統合失調症の治療の中心となるお薬を「抗精神病薬」といいます。症状の改善や再発の予防に大きな力を発揮します。抗精神病薬は、定型抗精神病薬(旧型)非定型抗精神病薬(新型)に分けられます。定型抗精神病薬も、まだまだ治療に有効なことがありますし、非定型抗精神病薬では効果が乏しい部分に、定型薬が有用なことも沢山あります。

非定型抗精神病薬は陽性症状に加えて陰性症状や認知機能障害に対する効果も期待できます。最近では、まずは、第一選択薬として、非定型抗精神病薬から開始することが一般的であります。

結論から申し上げますと、まずは非定型薬である(リスペリドン クエチアピン ペロスピロン オランザピン アリピプラゾール ブロナンセリン クロザピン パリペリドン アセナピン ブレクスピプラゾール)を使用します。その上で、どうしてもコントロールが難しい場合には、部分的に定型薬で調整を行います。

 

今回は、ここまでとさせて頂きます。

 

P.S.本日は、冷えましたが天気も良く、最後の秋の日であった気がしました^^

午後から休診日だったので、また琴似神社に参拝してきました。皆様が(悩みや不安感 憎しみ 悲しみなど、マイナスな感情から少しでも)心穏やかに平和で幸せな気持ちで過ごせるように、お祈りしてきました^^

明日からいよいよ冬が来そうなので、ご自愛くださいませ(*^-^*)

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院長 阿部 多樹夫

統合失調症について①

今回は、統合失調症について3回に分けて、お話したいと思います。

統合失調症は、おおよそ人口の1%に出現する疾患です。青年期に発症しやすいのが特徴です。

昭和の時代は治療薬も、まだまだ不十分で、病状の経過も芳しくないことが多々ありましたが、現在は比較的に副作用も少なく、有効なお薬もあります。そのため早期発見・早期治療を行うことが非常に重要となります。

原因:遺伝も関係あると言われてますが、正直まだ、一切解明されてません。現時点ではドーパミン仮説という理論が一番、有力視されてます。

具体的には、遺伝的素因に様々な環境的要因が加わった結果、脳内で各種の神経伝達物質の伝達が異常となることが原因で起こると考えられています。

神経伝達物質の中でも、ドパミンの伝達亢進が最も関与しているという考え(ドパミン過剰仮説)が有力で、この仮説によると、陽性症状では中脳辺縁系経路のドパミン伝達の亢進が、陰性症状では中脳皮質経路のドパミン伝達の低下が関与すると言われています。

近年では、ドパミン以外にもセロトニン、ノルアドレナリン、アセチルコリン、GABAなどの異常も指摘されています。

症状:陽性症状と陰性症状に分けられます。

(1)陽性症状は、幻覚 妄想 させられ体験(自分が他者あるいは外部からの力によって操られていると感じること) 滅裂思考 興奮 混迷などが挙げられます。

(2)陰性症状は、無為 自閉 感情鈍麻 自発性欠如などが挙げられます。

では、第2回目で引き続きお話させていただきます。

 

私事ですが、本日、ようやく自動車のタイヤ交換が済みました(/ω\)

明後日、木曜日から、天気予報では冬模様の予測ですので、明日が最後の秋の日になるかもです^^

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院長 阿部 多樹夫

 

 

 

 

社交不安障害について② 

社交不安障害を理解するため重要なポイントですが、大勢の人前でスピーチやプレゼンテーションするのが苦手で、多少の緊張をするのは異常ではありません。

しかし、対人不安・対人緊張が強すぎて、まともにスピーチやプレゼンが出来ないならば、これは「日常生活に支障が生じている」ため、治療が必要となり得ます。

更に問題となるのは、1対1の関係にも支障をきたすことです。特に、そんなに親しくないけど、まんざら知らない関係でもない中間的な心理的距離感の人に、ハッキリと自分自身の意見を言えないことです。人から頼まれたら断れなかったり、人と違う意見を言うことができなかったり、異性になかなか声をかけられなかったりします。周囲の人からは、何を頼んでも断らない「良い人」に見えますが、ご本人は内心、疲れ果て限界に達しているのに、それでも断れないのです。最終的には仕事や学校に行けなくなるなど、困った事態に至ります。
そういう方が、最も苦手とするのは、実は同僚や同級生です。今後、「長く付き合っていかないといけない」「嫌われたら困る」と考えて、更に何も言えなってしまいます。

原因:他の精神疾患と同じく、まだはっきり解明されてませんが、生まれ持った気質(性格や性質)と脳内の扁桃体の過敏性に関連があると言われてます。

治療:他の不安障害と同じように、抗うつ作用と抗不安作用を持つ、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)や抗不安薬の薬物療法が有効です。

SSRIの効果が出現するまで、1~2週間かかりますので、1、2回服薬して、効果がないと思い込んで自己中断しない様にしてください。抗不安薬は即効性がありますのでSSRIの効果が現れるまでの間に使用します。抗不安薬は依存性が問題になる場合もありますので、可能な限り最少用量・最少期間だけ用いることが望ましいです。
今まで、他の疾患でも何回かご説明してきましたが、ここでも認知行動療法を用いて、認知(考え方)のゆがみを修正することで問題を解決が可能となります。不安や恐怖に直面しても、上手くやり過ごせるスキルを習得していく精神療法です。

精神療法(認知行動療法を含む等)と薬物療法は治療の両輪とお考えください。そして皆様がメンタル的な、お悩みから解放されるお手伝いができれば、幸いだと思っております(*^^*)

社交不安障害について、最後までご清聴ありがとうございましたm(_ _)m

次回は、統合失調症についてお話したいと思います。

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社交不安障害について①

社交不安障害(SAD)について2回に分けて、お話したいと思います。

人に注目されることや人前で話をすることに強い不安を感じて、恥ずかしい思いをすることが怖くなってしまい、人が多くいる場所(電車 バス 繁華街など)に出かけることにも、強い苦痛を伴います。そして日常生活に支障を来たす状況になれば、社交不安障害といいます。対人恐怖や赤面恐怖も含まれます。怖さのあまりパニック発作を起こす場合もあります。失敗や恥ずかしい思いがきっかけになることも多いのですが、思春期の頃は、自分で自分の価値を認められなかったり自分に自信がもてなかったりすることから起きてくる場合も多くあります。

社交不安障害では、自分でも、そんなふうに恐怖を感じるのは変だなとわかってはいますけれど、その気持ちを抑えることが難しくなります。徐々に、恐怖を我慢しながら生活したり、外出や人と会うこと(怖いと感じること)を避けるようになったりします。

 

では、次回2回目に続きます。ご清聴ありがとうございました^^

本日は、本当に冷えました。インフルエンザが流行ってくる季節も近づいてますので、お早めのワクチン接種をお勧めします。

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院長 阿部 多樹夫