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食べられないことは精神にも影響します

公認心理師、臨床心理士、事務長の春名です

本日、8月31日は「やさい」の日だそうです。今朝のニュースでも、高騰していたたまねぎの価格が北海道産の豊作により安くなり始めたこと、逆に葉物野菜は猛暑の影響で価格が上昇していると耳にしました。明日からは9月となりますが、食欲の秋というように食べ物がおいしい季節となります。今日は食事と精神のことについて少しお話したいと思います。

食事と精神でまず身近なことはストレスがかかったときに食欲、食事に影響が起きることです。タイトルにもした通り、ストレスがかかると食欲が低下し、食事も摂れなくなります。また、ストレスにより胃腸に不調をきたすことで食事ができないということもあるでしょう。うつ病の症状の一つに食欲低下、体重減少というものがあり、ストレス反応やうつの症状として食べられない、食欲がわかないということが生じます。

ただ、ストレス反応やうつの症状の場合、反対に食欲が亢進することもあります。いわゆる「やけ食い」と言われるような状態です。その結果、体重も増加します。したがって、食べられないだけでなく、食べ過ぎるということも生じる場合があります。

もう一つは、体重や体型が気になって食事が摂れないという状態です。これは摂食障害という病名で知られています。摂食障害には、ほとんど一切の食事をとらない拒食という状態と一度に大量の食事を摂る過食という状態があります。多くの場合はどちらも経験することが多いようです。病気の原因は明らかにはされていませんが、ダイエットをきっかに病気へと進展してしまうことがよくあります。食事制限によるダイエットをしていたら、いつの間にか通常の食事を摂ることが困難になり、食べない・食べ過ぎる、を繰り返してしまいます。

ストレスによるものか摂食障害といった病気によるものか、理由はなんであれ、私たちは食事が摂れず低栄養の状態が続くと共通した変化が生じてくることが知られています。昔、計画的に食事を制限し、体重を低下させ、どのような変化が生じるかを検討するという実験が行われました。その実験に参加したのは健康状態に問題のない成人男性でしたが、低栄養状態が続くことで様々な変化が生じました。

まず、食べ物への興味関心が高まる人が多数観察されたそうです。多くの人が一日中食べの物のことばかり考えるようになったと言われています。実験が終了したあとに、両輪人や栄養士など食べ物に関わる職業に転職した人も数名いたそうです。
次に、食事を摂ることのコントロールを失う人がたくさんいたそうです。いわゆる過食という状態で、実験を終える前に計画的に栄養状態をもとに戻す時期も設けられたそうですが、コントロールを失い、食べ過ぎてしまう人が多数いたと報告されています。

憂うつ、不安、イライラを報告する人が多数存在したことも報告されています。明らかなきっかけや理由はないが、落ち込んだり、イライラしたり、情緒的な変化を感じる人が多数だったそうです。この実験の結果から、栄養状態のバランスが崩れることは私たちの精神にも影響することが示されました。

このように、食べられない・食べないによって栄養状態が低下してしまうと、精神的にもネガティブな影響が生じてしまいます。もちろん、食べ過ぎてしまうことも注意が必要ですが、食べ物がおいしくなる季節、「食欲の秋」ということで、精神的な安定のためにも栄養を摂っている、と思いつつ、食べることを楽しんでもらうことも一つかと思います。

クリニックのロゴ札幌ことにメンタルクリニック

春名大輔

Author
札幌 西区 琴似
精神科 心療内科
札幌ことにメンタルクリニック
公認心理師 ・臨床心理士
春名 大輔
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