欲求不満と「こころの折り合い」を付ける大切さについて。

「欲求不満」と言う言葉は、誰でも知っておられると思います。実は、ほとんどの方は「欲求不満」に悩まされているのではないでしょうか?人間ならば誰しも自身の欲求が満たされたいという本能的な願望が、生まれながらに備わっています。それが満たされないと、いわゆる「欲求不満」という状態になります。

「院長独り言」コーナーなので、聞き流していただいても構いません。

しかし現在の日本は資本主義で自由競争社会です。そのため競争原理が働き、競合相手に勝利して、自社に利益をもたらすことが重要視される傾向にあります。

そのため「他者に勝ちたい 人から認められたい 出世したい 裕福になりたい」などの欲求は個人・組織としても、高まる風潮が強くなっている印象を受けます^^;

しかし現実は残念ながら、その欲求すべてが満たされる可能性は、ほとんどありえないということを、すでにご理解されている方も多いと思います。

職業柄、精神科・心療内科医を長くさせていただいていると、いろいろな方の生き様や人間模様を数多く垣間見る機会が多くあります。その上で結論から申し上げると残念ですが、人生は決して思い通りにならないものです。成功する人は一握りで、努力しても、残念ながら報われない方も少なからずおられます(/ω\)

その際、どういう選択肢を選ぶかを求められます(/ω\) どのような選択をされるかは、もちろん皆様個人の自由ですが、私個人的な意見としては、目の前の現実と自身の理想の間に「こころの折り合い」を付けることが一番大切だと思います^^ つまり、理想と現実の間での妥協点(こころの折り合いを付ける)を見つけることが、何より大切だと思います。

また、この問題は人間関係にも置き換えることができます。職場の上司や同僚、部下との関係。学校での同級生や先輩後輩、教師との関係性など、悩みは尽きません。その理由は相手(利害関係がある人間)がいるからです。例として部下は上司からの理不尽な要求を聞きたくありませんよね^^;;           しかし一方で上司は、さらに上から、新人をしっかりと教育するように厳命されているかも知れません。しかも、研修期限や達成率も予めしっかりと設定されているのかも知れません。そのため不本意ながら、新人を育成するため心を鬼にして、実務はもちろん会社の規則や社会通念上の常識など、いろいろと叱咤激励して教え込まないといけない場合もるのかと思います。

以前にも申し上げたことがありますが「立場が人間をつくる」という格言があります。立場変われば、人間は己の感情をコントロールして、本心とは真逆なことも言わざるを得ないことも、人生であり得ることだと思います^^;;

自分だけでなく、相手の立場と置き換えて考えてみると、今まで見えてこなかった相手の辛い心情も分かってくるはずです^^

そこが理解できれば、お互いに自己主張のみに終始せずに、妥協点を見つけられるはずです^^それこそ今回、申し上げたかった「こころの折り合いを付ける」大切さです(*^^*)

P.S.人間の欲望・欲求には際限がありません。しかし「相手の気持ちも思いやる」「そこそこで満足する」ことができれば「欲求不満」を克服することが可能かと思います^^

なかなか難しいテーマですが、「自分と相手の立場を置き換えて考える」ことが最初の第一歩になるのかと考えております^^

小生の独り言コーナーなのですが、もし何らかのご参考になれば幸いであります(*^^*)

札幌 西区 琴似

精神科 心療内科

札幌ことにメンタルクリニック

院長 阿部 多樹夫